冷遇令嬢ですが、前世の知識と先見の力で運命の王第殿下と新しい国を作ります。
「でも、乗っている私達は本当に恥ずかしかったのよ。でもそのうち皆にワーワー言われるのも慣れて来て窓から手なんか振ったりして王女様になった気分だったわ。皆手を振ってくれて拍手もしてくれたり楽しかった。御者の二人にもよろしく言っておいてね。チップを渡そうとしたんだけど受け取ってくれなかったわ。だから二人にもお土産買って来たの。お菓子だけど渡しておいてね」

「まあ、シシリーありがとう。二人とも喜ぶわ。特にケニーはまだ6歳なんだけどお菓子が大好きだから、それに二人共とても楽しかったって言ってた」

マキシミリアンはそんな心遣いができるジャスミンが余計に好きになった。

「今度私も結婚式はジャスミンにお願いするつもりなのよ」
 
と子爵令嬢が言うと

「その前に旦那を見つけなきゃな」

と言ったのは伯爵家の次男坊だ。

子爵令嬢は“夢を壊さないでよ”と言って口を尖らしていた。

皆大いに笑って話も絶えなかった。

この伯爵家の次男のシリアスは王弟殿下のマキシミリアンの側近をしているそうだ。

マキシミリアンは何とかジャスミンと次に会う約束を取り付けたかった。

そして来週末に開かれる王家の宝物展のプレオープンに誘ってみた。

「私なんかが王弟殿下とご一緒してプレオープンに行かせていただいてもいいのですか?」

「もちろんだよ。なぜいけない訳があるんだ。その日は一日僕につき合ってくれる?宝物展を見た後昼食に行きたいのだけれど」

「ええっ、そんな恐れ多い事、やっぱりいけません」

「ジャスミン、そんなに大げさに考えなくてもいいのよ。マキシム様はとても気さくで王弟殿下などと言う方がなんかむずがゆくなってしまうような人よ。遠慮しなくてもいいのよ」

先ほどの子爵家の令嬢がそう言ってジャスミンを励ました。

「そうだ、ここに居る皆は王立学園の同級生や下級生たちだから皆マキシムと呼ぶんだ。ジャネットもそう呼んでくれていいよ」

「でも…」

「だってマキシミリアン様なんて長い名前舌を噛んでしまいそうよ。ジャスミン遠慮は無用よ」

シシリーまでそう言うのでジャスミンは皆の言葉に甘える事にした。

「わかりました。マキシム様それではよろしくお願いします」

そう言ってにっこり微笑んだ。

マキシミリアンはもう天にも昇る気持ちで、恥ずかしながら耳が真っ赤になってしまっていたのには自分では気が付かなかった。

ジャスミンをうっとりと見ていることには気づいていたが、自分ではどうしようもなかった。
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