嘘つきシンデレラ〜地味男を選んだら、俺様御曹司に溺愛されました〜
嘘ばかりのはじまりだった。
出会った場所も、第一印象も、そして「無し寄りの無し」という言葉さえも。
本気で結婚相手を探していたわけではない。ましてや、そこで運命の相手と出会えるなんて思ってもいなかった。
方や自分を守るために嘘をつき、もう一方は、自分を隠すために嘘を抱えていた。
そんな二人が、ほんの偶然のように出会い、そして、恋をした。
──「この人と結婚するから!」
意地になってついてしまった、咄嗟の言葉。それがきっかけで、これからも、こうして彼の一番そばにいられる。
「星南。こっち来い」
呼ばれて顔を上げれば、早く来いとでも言いたげに手を伸ばす朔夜の姿。
だけどその強引さで、迷いや不安さえすべて吹き飛ばしてしまうような、そんな人。
おとぎ話の王子様とは程遠い。だけど、星南にとっては誰よりも大切で、かけがえのない王子様だ。
──嘘つきシンデレラ。
もし、そんな物語の主人公が本当にいるのなら。
きっと彼女が手に入れたのは、強引で、わがままで、嫉妬深くて。それでも誰よりも愛してくれる、たったひとりの人。
そして彼女は今日も、その人の隣で笑っている。
嘘が導く恋が本当の幸せにたどり着いたことは、互いを見つめる二人の笑顔が、何よりも雄弁に物語っていた。
Fin...


