脅迫婚?!~悪い噂の絶えない社長が、実は誠実で一途だったなんて信じられません!~

想像もしていなかった事態に、まだ理解が追いつかない。

本当の夫婦になりたいと、彼は言った。それはきっと、愛梨も同じように彼のことを好きになってほしいという意味だ。

(私は、理人さんをどう思ってるんだろう……?)

これまで数多の女性と恋を楽しんできたであろう彼と違い、愛梨の恋愛偏差値はゼロに等しい。

彼に対する苦手意識はなくなったし、一緒にいるのは楽しいと思う。けれど、この感情が恋愛なのか、単なる友人に対するような好意なのか、自分でも自分の気持ちがわからない。

明日以降どんな顔をしていればいいのか、それすらもわからず不安になる。

身じろぎせずに視線だけで隣を伺うと、彼の静かな呼吸音が聞こえる。経験値の差なのか、告白しておいて自分だけすうすうと眠る理人に対し、身勝手にも苛立ちが湧いてくる。

(こっちは全然眠れそうにないっていうのに……)

そっと寝返りを打つと、想像以上に近い位置に彼の寝顔がある。見れば見るほど整っているその美貌は、目を閉じていても健在だ。

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