脅迫婚?!~悪い噂の絶えない社長が、実は誠実で一途だったなんて信じられません!~
理人とは三度目の対面だが物怖じしないで話しているし、彼もやはり子供好きなのか嫌な顔せずに会話に付き合ってくれている。
「朝陽くんは賢いな」
「お姉ちゃんが色んな本を読んでくれるし、わからないことは全部教えてくれるから」
「へぇ、そうなのか」
「うん。お姉ちゃんはね、忙しいなら無理しなくていいよって言ってるのに、いつも早く帰ってきて僕と一緒に夜ご飯を食べてくれたり遊んだりしてくれるんだ! 優しいでしょ?」
得意げな顔で語る弟は世界一可愛いが、それが自分の話題となると居た堪れない。
向かいに座る理人が「朝陽くんは、お姉ちゃんが大好きなんだな」と目を細め、その視線を愛梨にも向けてくるものだから、なおのこと恥ずかしい。
「そうだよ。僕、お姉ちゃんが大好きなんだ。だからお姉ちゃんと結婚するなら、悲しませたり泣かせたりしらだめだよ」
その声は幼いながらも真剣な色味を帯びていて、愛梨は思わず息を呑む。
理人もまさか六歳の子供にそんなことを言われるとは思っていなかったのだろう、驚きに目を瞠ったが、すぐに「わかった。約束する」と真摯な眼差しで頷いた。