脅迫婚?!~悪い噂の絶えない社長が、実は誠実で一途だったなんて信じられません!~

『うちの商品じゃない服を着ている君を褒めるのは少し悔しいが、そういうゆったりしたデザインも似合うな。すごく可愛い』

彼は顎に手を当てながらじっと見つめると、さらりと褒めた。こういうところが女性にモテる所以なのだろう。

『可愛い』なんて褒め言葉には、あまり縁がない。顔立ちは母に似て整っている自覚はあれど、特徴的な大きなアーモンドアイは目力が強すぎるらしく、気が強く見られがちだ。

どちらかといえば「クールビューティー」や「美人」といった賛辞をもらうことが多い愛梨は、あまりに自然に『可愛い』と言われたせいで、咄嗟に言葉が返せなかった。

(言い慣れてるんだろうけど、お世辞だとしてもちょっと嬉しかったな)

理人の格好はというと、グレーの緩いタートルネックに細身の黒いパンツという比較的ラフな出で立ちだ。相変わらずなにを着ても様になり、すれ違う人みんな理人を見ている。

均整の取れた体躯に、品のある佇まい。さらに極上の美形とくれば振り返らずにはいられないのだろう。パーティー会場ならまだしも、日常生活ですらここまで視線を集める彼に、愛梨は純粋に感心する。

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