推しカプの邪魔はしたくないのに、何か間違えたようです

くじ運の強さを誇ってもいいのかもしれない

 二学期最初のイベント、それは席替え。

「12番です」
 
 私、高梨美織(たかなしみおり)が引いたくじの番号を読み上げた瞬間、クラスの女子たちから小さなどよめきが起こった。

 琴吹高校二年二組の女子たちにとって、窓際から二列目の一番後ろは、大当たりの席なのだ。

 なぜなら、その隣、窓際の一番後ろの席。
 そこを引いたのが、クラスの人気者、田中洋平(たなかようへい)だから。

 背が高くて、爽やかで、スポーツ万能。
 おまけに誰にでも気さくで、女子からの人気も高い。

 だけど、私にとって重要なのは、そこだけじゃない。

 田中君の前の席。
 そこは彼の親友、小森健太(こもりけんた)が引き当てている。

 読書好きで、可愛い系。
 田中君とは正反対に見えるのに、二人はいつも一緒にいる。

 つまり、この席からなら、田中君と小森君。
 私の推し二人を、至近距離から眺め放題。

 私は愛用の黒縁メガネをクイッと押し上げる。
 ピントばっちり!
 
 ――腐の神様、ありがとうございます!!

 心の中で、薄い本を掲げた神様に全力で手を合わせた。 
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