甘えん坊な彼氏に私だって甘えたい
もう! 不意打ちでこういうことされると本当きついんだから。しかも、こんな場所でやられると尚更。
私は眉をひそめ、ぐるりと振り向いた。
「もう、瑠衣君! いきなり抱きついてきて危ないじゃない!!」
「ごめん、莉央……。莉央を見つけた瞬間、ついくっつきたくなっちゃって」
しょんぼりと子犬が泣くように謝ってきたのは——増田 瑠衣。
瑠衣君は私より一つ年下で、幼馴染でもあり、私の彼氏でもある。
「だからって後ろから抱きつかないでよ! びっくりしたんだから!」
少しきつめな声で言うと、瑠衣君は頬を膨らませ、拗ねた顔を浮かべた。
「むぅ……。僕だって莉央に会いたくて、学校中を探したのに……。どこにいたの?」
瑠衣君と私は同じ高校に通っている。放課後、タイミングが合えば一緒に帰るようにしているのだ。