「氷の天才外科医の激甘な課題添削」 冷徹な外科部長は難攻不落の愛し君だけに甘く狂う
消毒室で言い放たれた凛の言葉が、頭の中でリフレインする。

​「仕事の技術と、誠実さ、か……」

​桐生は目を閉じた。

​凛の言う通りだった。

自分はどこかで、男としての優位性や権力を使って凛を振り向かせようとしていたのかもしれない。

だが、凛が求めているのはそんな誘惑ではなく、「プロとしての本物」だけだ。

​(ならば……見せてやるまでだ)

​グラスをテーブルに置いた桐生の琥珀色の瞳に、静かな、だが今まで以上に熱い甘さを秘めた火が灯った。

​(誘惑や権力でなびかないというのなら、指導医として、外科医として、完璧な背中を見せ続けてやる。櫻井凛がぐうの音も出ないほどの完璧な仕事で、俺なしではいられないようにしてやる。……そしていつか、溢れるほどの愛情で櫻井凛のすべてを包み込んでやる)

​
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