「氷の天才外科医の激甘な課題添削」 冷徹な外科部長は難攻不落の愛し君だけに甘く狂う
桐生は邪魔者を追い払い、満足感とともに振り返った。

これで凛を守れた、嫌な男の手から引き離せた――そんな過保護で独占欲に満ちた想いで凛を見つめた桐生だった。

だが、そこ居たのは感動した表情の凛ではなく、氷のように冷やかな瞳をした凛だった。

​凛は静かに立ち上がると、桐生をまっすぐに見据えた。

​「桐生先生。佐々木先生は業務の申し送りをされていただけです。個人的な感情で他の医師を威圧するのは、副医局長としていかがなものかと思います」

​「っ……! 俺は嫉妬など……」

​思わず口を突いて出た自分の見苦しい言い訳に、桐生自身が衝撃を受けた。

「氷の天才外科医」と恐れられ、常に冷静沈着を体現してきたこの自分が、若い医師に嫉妬して取り乱したことを暗に認めてしまったようなものだったからだ。

​凛は深いため息を1つつくと、完璧なお辞儀とともに告げた。

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