「氷の天才外科医の激甘な課題添削」 冷徹な外科部長は難攻不落の愛し君だけに甘く狂う
桐生は孤独だった。

代々続く医師の家系で完璧だけを求められ、誰にも弱音を吐けず、氷の仮面を被って1人で命の重圧と戦い続けてきたのだ。

そして今、桐生はその仮面を剥がされ、1人の人間として、1人の男として、必死に命と愛を守ろうとしている。

​(この人は……ずっと1人で戦ってきたんだ……)

​凛の胸の奥で、これまで凛を守ってきた「公私混同」「プロとしての防壁」という固い鎧が、音を立てて木っ端微塵に砕け散った。

​もう、1線を引く理由は何処にもなかった。

目の前にいるのは、「恐れ多い副医局長」ではない。

自分を誰よりも必要とし、自分を愛し、今まさに命をかけて戦っている「桐生蒼真という1人の愛しい男性」なのだ。

​「……蒼真先生!」

​凛は思わず、病院内では禁じられていた桐生の名前を叫んでいた。

​桐生がハッと目を見開く。

​
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