宮麗の霊界旅行


宮麗の霊界旅行 ー1ー

宮麗は最近、体調を崩して寝込むことが多くなった。
そう言う時に、時々幽体離脱することがあった。でも
一般の人が考える程、彼女にとっては不快なことではなかった。彼女は
生来、霊媒体質だから、幽体離脱は特別な体験ではない。
最初の頃は、自室のベッドの上で幽体離脱をして、天井の辺りに留まって、
そこから下を覗くと自分のベッドが見える言う感じであった。
つまり、天井の辺りから自分の寝ている姿を見ていると言うことだ。


宮麗の霊界旅行 ー2ー

それから暫く、幽体離脱は無くなった。体調も良くなり
普段の学生生活が忙しくなったためかもしれない。部活と勉強を両立させるのは容易なことではなかっった。
でも、宮麗は物事を途中で放棄するような女性ではない。疲労困憊の状態に陥ることはないが、
夜は熟睡出来たので、日々の学生生活には支障無かった。
そんなある日、突然、尋常ではない幽体離脱に見舞われた。
以前の幽体離脱と違って、かなりの違和感があった。
まるで誰かに導かれているような、強制的な幽体離脱であった。
宮麗を導いているのは、この世の人ではなく明らかに指導霊のような
そんな身分の高い存在の方であるような気がした。


宮麗の霊界旅行 ー3ー

それ以来、宮麗の幽体離脱は日常的に起きた。
ある日、宮麗は指導霊らしき人に自分の幽体離脱が頻繁に起きる理由を尋ねてみた。
すると指導霊は少し笑みを浮かべ、しかし厳かに「あなたは、これから大変重要な体験をします。
人々の人生に大きな希望と光を与えることになるでしょう。
また計り知れない勇気と意欲を生み出すことになりましょう。人類への貢献は無際限です。」
指導霊の思い掛け無い言葉に、宮麗は狐につままれた心地だった。夢うつつだった。
自分の人生がとんでもないことに成るのではないかと憂い始めた。
正に五里霧中の世界に追い込まれたみたいだった。そんな不安げな宮麗に対し指導霊は
「大丈夫ですよ。何の心配もありません。私の指示に従って行動すれば、全て首尾よくことは運びます。」と微笑んだ。


宮麗の霊界旅行 -4-

それから数日後の夜、宮麗は居た堪れない眠気に襲われ殆んど意識を無くした。そして、気が付くと幽体離脱をしていた。かなりのスピードで上の方に昇ったが、自分の部屋の天井近くにいた。何気なく下を見ると自分の寝姿が見える。良く見ると、寝姿と自分は銀色の様なコードで繋がれていた。なんか不思議な感覚だった。これから一体どうなるのだろうか。不安が募った。その時、指導霊が近づき宮麗に言った。
「これから、ここを離れて少し浮遊移動します。途中、何か不明なことがあれば、何でも聞いてください。暫くは地上を徘徊しますので、亡くなった浮遊霊や地縛霊と言った未成仏霊を沢山見ることになります。彼らは、謂わゆる幽霊と言う存在です。自分達が死んでる事が分かっていないので、彷徨っているのです。彼らの守護霊は、彼らが死後の世界を信じていないので、暫くは目が覚めるまで放置する他はありません。」「いつまで放置するのですか?」「目が覚めて、自分が死んでる事を認識するまでです。とにかく、今はパニック状態ですから、どうすることも出来ません。」


宮麗の霊界旅行  -5-

宮麗は指導霊の言葉を聞いて、未成仏の幽霊達が気の毒に思えた。霊界の存在を知らない幽霊は多い。生前に霊界の存在を知らされていないし、学校でも教えられていない。
それ故、霊界の存在を知る手立てが全くない。それで幽霊となって長い時間、地上を彷徨う羽目になっているのだ。本来の居場所に居られない辛苦は不幸の極みだ。この世の理不尽さを不憫に思い困惑していると、指導霊が「大丈夫ですよ。幽霊になっているのは自業自得なのです。守護霊達が亡き人達に目を覚ますように何度も説得しています。しかし、死ねば全てが終わると信じている幽霊達は守護霊の言うことなど信じません。それでも守護霊達は彼らを助ける為に、また悪霊の餌食とならないように彼らを守っています。でも、生前悪事を働いていた幽霊たちは、別扱いです。いくら逃げようとして天国に行こうとしても、霊界の検査員に本性を見破られます。彼らには精霊界で息う権利は勿論のこと、天国に行く権利など全くなく、即刻地獄に突き落とされます。」それを聞いて宮麗は悲しくなった。この世の厳しさと霊的真理の凄さに心が引き締まり、震えを覚えた。


宮麗の霊界旅行 -6-

宮麗が心身共に憂いを深めていると、指導霊は表情を変えずに「これから、ちょっと病院に行きましょう。あなたに見せたいものがあります。」そう言って宮麗を白い雲の乗り物に乗せた。指導霊が操作する白い雲は魔法の絨毯の様に自由自在に空中を移動出来る。速さも自在だ。そしてある大病院に着くと、危篤患者がいる集中治療室に入って行った。「ここで何をするんですか。」「良く見ておいてください。人が亡くなる瞬間を。」そして宮麗は、ある患者の前に連れて行かれた。周りの人達には二人の姿は目視出来ない。宮麗は、酸素マスクを口に当てられ、点滴をされている70歳くらいの男性の傍に立たされた。男性を良く見ると、頻りに右手で何かを追い払っていた。「この方、何をされているんですか?」「この男性は、まだ死にたくないので、迎えに来ている死に神を追い払っているんです。実際は死に神ではなく、過去に亡くなっている縁者です。人が亡くなる時には、必ず見覚えのある縁者が迎えに来ます。そして、その縁者に手を引かれて死者となるのです。」


宮麗の霊界旅行  -7-

指導霊の話しを聞いた後、宮麗は息を引き取っていく人の仕草を詳らかに観察することが出来た。人間が一生を生きて、閉じる瞬間は決して厳かでなく、呆気なく儚いものだった。宮麗は悲哀の気持ちを新たにした。宮麗は言葉を失い、沈んでいた。指導霊は表情を変えずに毅然として「こんなことで動揺してたら駄目ですよ。まだ、霊界に入る前の霊体が茫然としている一面を見ただけですから。夥しい数の霊体や浮遊霊が地上と霊界の間を彷徨っています。その姿をもう少し観察して観ましょう。ほら、どのベッドにも行く当てもない地縛霊が沢山彷徨っています。長期間ベッドで過ごした人は愛着心を捨て切れずに、ベッドの周囲を彷徨うのです。彼らは守護霊の説得には全く耳を貸しません。死ねばあの世に行くと言う真理を失念している。と言うか、自分が死んでいると言う認識と実感がない。しかし、いつまで彷徨っていても埒が開かない。やがて疲れ果てて、自分の死を自覚するようになると、その場を離れるようになるのです。これは自宅にいても、事故現場にいても差異はありません。」


宮麗の霊界旅行 ー8ー

宮麗は、目の当たりにする現実の有体や、指導霊から聞かされる霊的真理の深淵に溺れそうになった。人生の難しさ、
生きることの大切さを改めて認識させられた。1日1日が人生そのものなのだと宮麗は痛感した。宮麗は指導霊に尋ねた。「こうした彷徨える地縛霊や浮遊霊もいずれは霊界に行けるのでしょうか?」「余程の問題を抱えていない大体の霊体は、霊界に行けるでしょう。ただし、彼らも直ぐに霊界に行ける訳ではありません。先ずは霊界に行く前段階として、精霊界に行くことになります。」「そうなんですか。そこはどんな場所なんですか。」「霊界に行く為に準備する世界です。つまり、地上界で身に付けた種々雑多な未練や汚れ、体験、想念、所有物などを全て投げ捨て、その霊体が素の状態になることです。言葉で言うのは簡単ですが、なかなか至難の業です。なにせ、地上界での生を全て放棄するのですから。」


宮麗の霊界旅行 ー9ー

人は亡くなって、ある一定の期間、今生での禊ぎを終わらせれば、霊界の前段階である精霊界に赴くことになる。精霊界とはどんな所なのか、宮麗は指導霊に同道していろいろな場所を訪ねることになる。精霊界は、霊界に入る前の
準備世界なので、緩衝材的な役割を持つ。霊体となっている亡き骸は、現世への執念が強いので、自分の想念が現世紛いの映像となることに何の疑問も抱かない。だから、前世の営みを何の躊躇いもなく継続させる。タクシーの運転手をしていたものは運転手をやり、野球の選手は野球をやり、お酒が好きな人は居酒屋に行く。もっと怖い話しをすると、生前に三途の川の話しを聞いて、その事を信じ心の奥底に残存させていた人は、死後、自分の目の前に巨大な三途の川を目撃する。そして必死でその川を渡ろうとする。
こうした映像は本当は存在しない事なのだが、現世の残存想念が、そうした映像を作り出す。未熟な霊たちは、そうした想念の世界で暫く生き続けるのだ。短い人で十数年、長い人で30年以上この精霊界に留まる。また、精霊界には知人や家族、恋人だった人、ペット等もいるので思い思いの充実した生活を楽しむ事が出来るので、いつまでもこの世界に居続けたいと切望する。併し、時の流れと共に、次第に心の中に空虚感が漲ってくる。この現象は精霊界での生活に違和感を感じ始めた証拠である。ここでの生活に飽きてくれば、この精霊界を去る日が近づいてきている事を意味する。どんな人も必ずそうなる定めを背負っている。でも、これは決して苦痛な事でなく、どんな人も自然に体験する事なのだ。凡ゆる事物、凡ゆる生命は前進し、進歩する事が天の理で決められていることなのだ。


宮麗の霊界旅行 ー10-

この物語を進める前に、読者の方は、人は善霊、悪霊の影響を常に受けながら生きている事を認識しておかねばならない。取り分け霊媒体質の方は、悪霊の影響を受け易い。悪霊も善霊と同様に自由意思が与えられている。悪霊は多くの人の人生を狂わす程の悪力を持っている。人に不幸をもたらすことを生き甲斐にしているので、事故や病気や種々な事件を引き起こす事くらい安直に出来る。それが出来る自由意思があるので、どんな人も悪霊の誘惑や策略、侵略に注意しなければならない。泥沼にはまってからでは手遅れなので、早い段階で察知し離反しなければならない。
悪霊の手口は、初めは穏やかに優しく近付いてきて、善霊の様な真似ごとをする。そして人がそれを信じて実行し始めると、いきなり馬脚を表し、その人を不幸のどん底に突き落とす。これが悪霊の常套手段だ。特に霊媒体質の方は要注意だ。


宮麗の霊界旅行 ー11ー

サマーランドと言われるほど居心地の良い精霊界でさえ、
その時期が来れば精霊達は何の逡巡もなく、ここを離れて行くのだ。精霊も含めて凡ゆる存在は、常に前進し、宇宙霊界の上昇の波に乗って進化して行かなければならない。そう言う運命なのだ。だから、凡ゆる存在はその場に永住する事は出来ないのだ。全て天の理で決まっている事だから、その流れに誰も逆らわず、疑問を呈する者は居ない。こうして、精霊界で憩いの時間を長期間過ごした精霊達は霊界へと旅立って行く。ただ、例外的にこの精霊界から地上界に逆戻りする霊が稀にいる。地上界でやり残した重要事項が多々ある場合とか、まだ霊体として未熟な場合である。こうした例外を除き全ての霊体は、早晩、霊界に進んで行く。一旦霊界に入れば、再び精霊界に戻ることはない。凡ゆる霊体は霊界で永遠の生を始める事になるのだ。最終ゴールはない。宇宙霊界の上昇の流れに乗って天上界を目指し、更なる高みを目指し、最終的には光の存在になって、謂わゆる類魂として光の存在の一員になる。併し、この域までに到達する迄には数万年、数百万年、場合によっては数千万年、数億年と言う気が遠くなる程の時間が必要となる。



宮麗の霊界旅行 ー12ー

宮麗は指導霊の話を聞きながら、また憂鬱な気分になった。
やはり今生に生きている自分の立場を考慮すると、精霊界も霊界も馴染めない。将来が不安だし、死後の世界は未経験だから不安は募る。冴えない表情の宮麗の相好を見て指導霊が「心配ご無用。貴女の守護霊が全て手配し、何の迷いもなく精霊界、霊界へと進んで行けます。全ては天の理の計らいによって差配されます。天の理は、霊的真理とも呼ばれ、この宇宙全体、霊界全体を管理し、一分の隙もなく完全に確実に履行して参ります。」「でも、そう言われても、実際に経験してみないと何も分かりません。」「ですから、今こうして貴女を、精霊界にご案内し、これから霊界を案内しようとしているのです。」「精霊界は現世と酷似していたので、多少は馴染めます。それに知り合いや家族、ペットなどにも会えると言うのは魅力です。しかし、その世界とも離れていかなければならないのが辛いです。」「貴女は何の心配も要りません。清廉潔白な人生を歩んで来られた貴女に下層界は合いません。素敵な霊界が用意されております。霊界には大きく分けて三段階の霊界があります。下層界、中層界、上層界です。どの階層に赴くかは、現世の有体によって決まります。多くの人はどうしたら良いか途方に暮れます。そんな時は霊界の審査官が来て、その方の一生を最速ビデオで、恰も走馬灯の様に見せて、その方の行き先を決定させます。この決定が出れば誰もがそれに従ってその階層に進んで行きます。」


宮麗の霊界旅行 ー13ー

指導霊は続けます。「もしこの決定に不満を持ち、勝手に天国である上層界に行こうとしても、階層の波長が合わないので、本人は塗炭の苦しみを味わうことになります。呼吸が出来ないくらいの苦しみを味わいます。それ故、直ぐさま自分に最適の階層で暮らすことになります。これも天の理の裁断です。全てが完璧に遂行されます。」宮麗は頷きながら遠い彼方の山々を見ていました。毎年、現世の生を終了した何百万人、何千万人と言う人が霊体となる。そして、彼らは、いずれは精霊界や霊界に住まうことになる。
その割には、霊界で見掛ける人の数が極めて少ない。それは、霊界が限りなく巨大で広大だから、人口密度が小さくなり、出会う人が少なくなるのだ。その上、夥しい数の集落や団体、町が存在するので人が密集する事はない。どこの団体に住まうかは、その1人1人の生きざま、即ち霊的波長による。同じような生き方、想念、霊的地位、理性、知恵、本性、本質によって行くべき団体が決まる。精霊界を卒業して、霊界に入れば、その方は永遠の生を霊界で過ごすことになる。しかし、前述の如く、霊界と言えども、ずっと同じ団体に居続ける訳でなく、霊格が上昇すれば、それに合致した階層に赴くことになる。こうした天の理は、際限無く遂行される。


宮麗の霊界旅行 ー14ー

ここで説明しておかねばならない事がある。宮麗は指導霊の案内により霊界を旅している。しかし、時空を超えて永続的に行なわれている様に思われているかもしれないが、実際は幽体離脱の儀式があるので、かなりの日数を経ている。一度の幽体離脱で霊界に滞在できる時間は、せいぜい3〜5時間程度だ。ただ、時間が短くても白雲の絨毯は時空を超えて移動出来るので、その距離は数万〜数十万キロにも及ぶ。さて、いろいろな使命を背負っている宮麗は霊界の状況を詳らかに観察したいと思っている。併し、ずっと気になっていた事があった。それは、精霊界を案内される時に、数多の霊体が荒涼たる大地を黙したまま、項垂れて歩いている情景だった。宮麗が「なぜ、あれほど多くの霊体が、希望無く項垂れて歩いていたんですか?」と尋ねた時、指導霊が「彼らは、死後間もない霊たちで、行く末を案じ、正に五里霧中の中にいたのです。誰もが不安と恐れを抱いていたのは当然です。しかし、歩を進める内に、前方に明るい空が見え始めて来たので、全員、安堵し始めたのです。この現象は霊体の内面が浄化し、霊的に進歩してきた証左です。内面の変化には個人差があります。ですから、精霊界に入界する早さには個人差があります。どこに存在していても霊的進歩が全ての鍵を握っています。」「そう言うことなんですか。霊的な進歩と言う事がとても重要なんですね。」すると、指導霊は「そうです。霊界では霊的真理が全ての基いですから、霊的進化、霊的浄化が頗る大切です。ひと口に霊的進化と言っても、魂の本質が変わらなければ、霊的に進化したとは言えません。結局、霊的進化とは、愛の深さ、つまり他人への思い遣りの深さによりましょう。これから、実際に霊界の幾つかの団体を案内しましょう。」


宮麗の霊界旅行 ー15ー

指導霊が最初に案内した所は、霊界の最下層だった。宮麗は、恐る恐る最下層の霊界に足を踏み入れた。やはり初めて体験する場所だったので、常に指導霊の陰に隠れる様にゆっくり歩いた。途中、道端で立ち話をしていた数人の男性グループがいたが、宮麗達の方を不審な眼差しで見ていた。彼らは不快な表情を浮かべていた。親しみのある笑顔は一切見せなかった。かと言って襲いかかって来るような野蛮さも無い。ただ、不愉快な様子は終始、彼らの心から放射されていた。不安気な宮麗の表情を見て指導霊は「この世界に住まう精霊達は霊格の発達が低い為、善、正義、愛、公正さ、思いやり、笑顔などが未熟なのです。だから、彼らの表情は悪辣に見えるのです。でも、彼らも何十年、何百年かの年月を重ねて、霊格が向上してくれば、この下層界にいることに退屈を覚え始め、この上にある中層界を目指すようになります。その頃になると、彼らの表情に和やかさと思いやりの心が生まれます。これも天の理の掟です。」宮麗は判然とした気持ちにはなれなかったが、
指導霊の後について、下層界の見学を続けた。暫く行くと
大きな集会場があった。屋根があったが、粗末な作りで、誰かが大きな声で叫んでいるのが外にまで聞こえた。


宮麗の霊界旅行 ー16ー
 
近寄って、良く見ると群衆の中央にマイクを持って大声で叫んでいる男がいた。周囲の人々に演説をしていた。神様の話をしている様だった。服装は牧師の姿をしていたから
生前は牧師の仕事をしていたのかも知れない。彼はこんな事を言っていた。「君たちは皆んな罪人なのだ。神の教えに背いて生きていると、不幸になるだけだ。直ぐに今の生活を改め、神の教えに従って生きなければ後悔するぞ。先ず、全てを懺悔して、神の教えに耳を傾け、聖書を読み讃美歌を歌いなさい。先ず、神を信じ、己れを捨てなさい。全てを懺悔して正しく生きなさい。その為には、教会に来て、私の説教を聞き、聖書を読み、讃美歌を歌いなさい。」併し、彼の説教を熱心に聴いている人はいなかった。
聴いているどころか、説教をしている牧師を嘲笑したり
彼にヤジを飛ばしていた。宮麗が怪訝そうに眺めていると指導霊が「あの人は確かに生前は牧師でしたが、実生活は尊敬されるような人では無かったのです。陰では牧師として相応しくないことも沢山していたので、いくらここで説教を説いても、本性が明からさまになっているので、誰も彼に従う人はいません。牧師に限らず、どんな職業の人でも実生活が不誠実であれば、それなりの報いは受けます。因果応報の世界であり、因果律が確実に実践されますから、誰も自分の犯した悪業から逃避することは出来ません。」


宮麗の霊界旅行 ー17ー

宮麗は、現世に生きてる自分が霊界を旅行している違和感や不可思議な感覚を、どう表現して良いか分からなかった。
とにかく自分が精霊界や霊界で見聞した全ての事を記憶に留め、日記に認めておくことだ。それが宮麗に課された重大な務めだった。この記録は恐らく日本史上初めての事になるだろう。今生に生活している全ての人にとって、有益な情報となる筈だ。死後の世界がどうなっているのか、人は死んだらどこへ行くのかと言う永遠の疑問に、灯りを点す事になるだろう。少なくとも人生を生きる上で、大きな目標となり、手助けとなり、励ましとなることは間違いない。霊界の低層界を見聞した宮麗は、次の目的地である中層界に赴くことになった。中層界に入ると、下層界に比べ雰囲気は大分明るくなった。周囲の景色も色鮮やかで、草花も綺麗に咲きにおい、人々の表情も優しく明るかった。
宮麗は指導霊に導かれて、ある町の団体の所に行った。
そこは市場みたいな所で、様々な物が売られていた。地上で見たことがある物もあったが、初めて見るものもあった。不思議な果物や綺麗な野菜が数多く並べてあった。所が、不思議なことに肉類は置いて無かった。霊界では、肉は食べないらしい。また、霊界では、個人が1人で生活していることはなく、必ず集団で生活していた。皆んなで協力して物事を作り上げたり、達成させたりする事が必須である様に思えた。そこで、宮麗が「あの、ここではあの人たちは何をしているんですか」


宮麗の霊界旅行 ー18ー

以前、霊界では全ての事象が想念から生まれる世界であると述べた。誠に不可思議な事だが、霊界で体験していることはリアルなのだが想念から生まれたの世界でもあるのだ。このあたりのことを宮麗は指導霊に尋ねた。「確かに、その通りです。霊界は想念が現実化する世界ですから、思念する事が現実となることはあります。但し、常にそうなる訳でなく、想念の相手が拒否すれば実現しない事もあります。思念が現実化することは事実です。」ところで、宮麗が霊界を旅行するには霊界の波長に合わせる事が必要になる。波長が合わないと呼吸困難となる。波長の調節の仕事は、指導霊が適確に処置している。だから、宮麗がどんな霊界に近付いても、霊的波長から生ずる霊格齟齬に苦しむことはない。
さて、話は変わるが、霊界には霊界の太陽と言うものがある。地上の太陽とは異なり、常に一定の高さに存在している。移動することはない。霊界の太陽は、霊体の内部と外部両面に霊力と霊的真理を注入する働きを持っている。霊魂の波長が高まると言うことは、霊界の太陽の光と霊波を沢山浴びていると言うことだ。霊界の太陽は、霊体の霊格の上昇と愛情の進化、思い遣りの深化と言う面で大きな力を発揮する。霊界の太陽は、低層界よりも中層界の方に強く輝き、中層界よりも上層界の方に明るく輝く。先ず、人々は、その事実を理解しておかなければならない。


宮麗の霊界旅行 ー19ー

指導霊が宮麗に説明する。「霊界では、魂の向上、つまり霊格の向上が最終目的となります。具体的に申し上げると互助精神、思い遣りの精神、滅私奉公の精神、愛の尊さ、善意の進化を実際の体験を通して修得しているのです。霊界には種々雑多な団体がありますが、そうした団体の中で実際に生活しながら、今、申し上げた様々な内面を進化させて行くのです。また、どの団体に所属するかは、それぞれの霊体の魂の進化に合致した団体を選択することになります。個々の霊体は、その団体で、更なる魂の進化を目指して尽力するのです。でも、そう言う事をいつも意識して生活している訳ではありません。生活している内に、自然に霊格は向上して行きます。長い年月を、霊界の太陽の光りと暖かさと霊流を浴びながら生活していれば、自然に霊的進化は進捗します。そしたら、霊格が上の別の団体に所属して、他の霊体達と共に生活しながら魂の進化を計って行くのです。そして、主要な団体を卒業して行くうちに魂の進化が著しく向上すれば、更なる霊界、つまり上層界へと転生して行きます。」宮麗は前向きな面持ちからではなく、相変わらず不安げな様子で「そうなんですね。この霊界でも、なんか大変そうですね。」と俯きに答えた。「貴女は、少し悲観的になっておりませんか?霊界は、本来あるべき世界で、理想的な世界に繋がっているのです。霊界は、全ての人が必ず体験する世界です。この霊的世界を体験して行けば、地上界の矛盾に満ちた不純な世界に2度と戻りたいと思うことはありません。


宮麗の霊界旅行 ー20ー

指導霊の言葉は続く。「霊界の特に上層界に住まわれる霊体は、高貴な魂を有し、愛に溢れ、思い遣りが豊かで、霊格も高いので、神様の姿に類似してきます。この霊に住まう人は、低層界や地上界に存在する人や動植物に愛の霊波を送り続けております。常に憐憫の情を有し、人を慈しみ、人を思いやる心は豊かです。もちろん人の全てを赦す寛恕の心は並外れて豊かです。どの霊体も何百年、何千年と長い年月を霊界で生きて行けば、いずれこの上層界へ、更に何万年を経て天上界、神界へと進化して行くのです。高貴な世界になればなるほど、周囲の景色は鮮やかさを増し、霊格が高くなればなるほど、自然の美しさは言語を絶する。そこに住まう人々の表情は益々神々しくなります。どの人を見ても優しさに溢れ、慈悲に満ち、利他中心の世界となります。この世界に住まう人には神位が授けられています。辺り一面、黄金に輝き、霊界の太陽がこの世界を完全に黄金で包み込んでいます。」これを聞いて、宮麗は明るい笑顔となり、目を輝かしながら「素晴らしい世界ですね。全ての人がこんな素晴らしい世界に辿り着けるのでしょうか。もし、本当にそうでしたら、素敵な事ですね。全ての人が希望を持って生きて行けますね!」



宮麗の霊界旅行 ー21ー

宮麗の笑顔を見て、指導霊は珍しく笑みを浮かべていた。「そうですよ!どんな人も、今まで波瀾万丈の人生を長期に渡って生きて来ました。そのご褒美と言う訳ではありませんが、最後は平和で安らかな温かい生を送れるようになります。勿論、この世界に逢着する迄には、体験の内容や期間には大きな個人差はありますが。早晩、全ての人がこの世界に辿り着くのは天の理によって決められています。」指導霊の説明を聞いて宮麗は、天の理の完璧さと神の優しさを改めて痛感した。併し、宮麗の安心した心持ちを打ち砕くかの様に、指導霊が思いがけないことを言った。
「あの、幸せな貴女のおもいを打ち砕く様で、申し訳ないのですが、これから地獄の幾つかを訪ねなければなりません。」突然の指導霊の言葉に宮麗の笑顔は消えた。とても辛い表情になった。宮麗が1番嫌がっていた地獄界だ。でも、霊界の全てを見聞しておかないと、人々に正確な情報を提供することは出来ない。宮麗は覚悟を決めて、指導霊の言うことに耳を傾けた。


宮麗の霊界旅行 ー22ー

指導霊は、宮麗の表情を見ながら厳かに、しかし穏やかに淡々と話し始めた。「これから地獄界を訪ねますが、そんなに怖がらずに、冷静沈着にありのままを見聞して下さい。くれぐれも注意しておきますが、決して勝手な行動はせずに、常に私の指示に従い、私から離れないで下さい。地獄の連中は、強欲で、身勝手で、自分の利益の事しか考えない極悪な存在です。中には、凶暴な連中もおりますので、いつ襲いかかってくるか分かりません。ですから絶対に私の側を離れないで下さい。私には善と愛の神軍が付いていますから、危険な状態に陥る事はありません。ですから、極悪な連中に絡まれても、恐れ慄いたり、叫んだり、逃げたりしないでください。私の側にいれば、全く安全です。それでは、先ず地獄界の中層界を訪ねましょう。ここは地獄界の中層界に位置している所です。ここに住まう連中は自己中心の身勝手な輩達です。他人を見れば因縁を付けて敵視し、隙あらば悪事を働かそうとしている連中です。初めは笑顔で接近してきますが、次の瞬間、凄い形相に変わり、金品を奪おうとします。連中の笑顔に騙されてはいけません。とにかく私の側を離れないで下さい。」



宮麗の霊界旅行 ー23ー

それを聞いて宮麗は、足が竦み、歩けなくなった。でも、ここで挫折しては、宮麗の務めは果たせなくなる。宮麗は勇気を振り絞り、「分かりました。頑張ります。どこにでも指導霊様の後に従って参ります。」「そうですか。覚悟を決めましたか!それでは出発しましょう。」その瞬間、白い雲の絨毯は、いきなり地獄の中層界に入りました。ここが地獄だと言う事は、醜い男達の群衆、生臭い臭いと汚ならしい街並み、薄汚れた草花などを見れば分かる。ある小さな街を宮麗達が歩いていると、ある店の中で怒鳴り合う声がして、沢山の人だかりが出来た。その内、醜い顔の男達が喧嘩を始めた。ギャンブルで損した男が店に火を付け、それに仲間が加わって大喧嘩となった。皆んな手に棒切れや刃物を持ち、それでお互いに殴り掛かっていた。忽ち沢山の怪我人が出たが、誰も、それを止める者は居ない。
ギャ−と悲鳴を上げるもの、逃げ回る者、店から金品を略奪する者。完全なる無法地帯だ。宮麗は、指導霊の陰からこの様子を見ていたが、その内の数人が宮麗達の存在に気がつき、2人の方に向かって来た。宮麗は、キャ–と言って目を閉じた。指導霊が連中に向かって「近寄るでない。これ以上近寄ると、痛い目に合うぞ」と脅かしたが、暴徒達は2人に「何だ、こいつら、ぶっ殺せ」と怒鳴りながら、更に近づいて来た。あ、もう駄目かと宮麗は観念した。その瞬間、彼等のいる地面が大きく裂けて、彼等は真っ逆様に下に落ちて行った。


 宮麗の霊界旅行 ー24–

遠くを見ると、男達は大声を上げながら、相変わらず殴り合いを続け、略奪は更にエスカレートしていた。時折り甲高い悲鳴がしたので、良く見ると数人の女性が男達に囲まれ、裸にされ、乱暴されていた。宮麗は息苦しくなって「あの、私はもう無理です。ここから逃げたいです。地獄界の様子は良く分かりました。」すると指導霊は「ここは、地獄界の中層界ですから、地上の人から見れば、かなり残酷な世界です。先ほどの光景が日常茶飯事の世界です。彼等は霊格が低く、殆んど霊界の太陽を浴びていません。浴びようともせず、返ってその光を避けようとする連中ですから、手に負えません!しかし、彼等とて天の理から見放されている訳ではありません。天上界から、時折り数名の天使がこの地に降臨します。天使達は、連中に霊波を吹き込み、霊界の太陽の光りを屈折させて届けているのです。また定期的に、連中にもっと快適な世界があることを説いています。しかし、彼等は聞く耳を持たず、ものすごい形相で、天使達を追い払おうとします。」「そしたら、どうなるんですか。皆んなここであの様な恐ろしい生活を続けるんですか。」「いいえ、そんな事はありません。彼等も長い年月の後、ここでの生活に飽き始め、もっと明るい境涯を切望する様になります。つまり、彼等の霊格も僅かですが、進化して参ります。これも霊的真理の力が働いているからです。全ての存在がその力のお陰で、上昇する定めとなっています。」宮麗は、恐怖に慄いていましたが、指導霊の言葉に少し安堵しました。でも、一刻も早くこの場所から逃げ出したいと思っていたので「あの、次は何処に行くんですか?」と心配した。すると、指導霊は申し訳なさそうに
「あの、あと1ヶ所、お見せしなければならない所がございます。」「え?まだあるんですか?」「そうなんです。地獄の下層界を見ておかなければなりません。これで、地獄の訪問は全て終わります。」宮麗は、再度、暗黒の気持ちになった。死にたい気持ちになった。

宮麗の霊界旅行 –25–

しかし、自分の責務は遂行しなければならない。神様からの強い希望なので、万難を排して完遂しなければならない。
「分かりました。よろしくお願いします。覚悟を決めました。」「嬉しいです。地獄の下層界は、霊界で最も凶暴な世界ですから、 何があっても、絶対に私から離れないで下さい。彼等のどんな挑発にも乗らないで下さい!とても恐ろしい連中ですから。何せ、生きてる時は有りとあらゆる悪事をやらかしてきた連中です。裏切り、窃盗、恐喝、強盗、誘拐、性暴力、麻薬、放火、殺人、大量虐殺等、凡ゆる悪事を働いてきた連中です。用心して下さい。」「分かりました。指導霊様の側から離れません。」そして、いよいよ地獄界の最下層である場所に向かった。途中、じめじめしたトンネルの様な暗い地下を通り、生臭い広大な血の池を越え、棘棘した荒涼たる大地を下って降りて行くと、荒廃した薄暗い街並みが見えてきた。「ここが最下層の地獄です。息苦しいでしょうが暫く我慢して下さい。」見ると、辺り一面血生臭い悪臭が充満し、息をするのも苦しかった。その時、遠くの方から泣き叫ぶ声が聞こえた。見ると、沢山の連中に囲まれて殴り殺されている光景だった。刃物で切り裂かれ、棍棒で頭を割られ、断末魔の悲鳴を上げていた。良く見ると凡ゆる場所で、悲鳴が聞こえ、残虐な殺し方で沢山の人が殺されていた。まさに阿鼻叫喚の世界であった。しかし、殺された人達は肉体を持たないから、また生き返り、また殺される。生存していた時に、自分が犯した殺人と同じ方法で殺されるのだ。こうした光景は、本人が心底反省する迄、際限なく繰り返される。本人が自分の罪を悟れば、殺されることは終わる。
殺人に限らず、凡ゆる悪事に対する報いは、
自分が同じ体験をして、心底から悟るまで際限なく行なわれる。これが天の理であり、因果応報の掟なのだ。指導霊が「分かりましたか?これが天の理と言うものです。同情してはいけません。因果応報の定めですから、どうすることも出来ません!」と冷静に説明したが、宮麗はただ、ただ茫然とこの残虐な光景を見ているだけだった。この時、不意に数人の凶暴な連中が2人の存在に気が付き「ここで何してるんだ。お前えらも死にてえか。そんなに死にてえか。」と言いながら手に持っていた斧で襲いかかってきた。もうこれで終わりかと宮麗が目を閉じ、観念していると、急に辺りが、霊界の太陽の光りで猛烈に明るくなった。その途端、暴漢達はこの極限の明るさに目が潰れ、呼吸が止まり、瞬く間に息絶えて消滅した。




宮麗の霊界旅行 –26–

宮麗は恐怖の余り、ずっと目を閉じていたので、この凄まじい光景は見ていなかった。それどころか、殆んど気絶しそうになっていたので、指導霊に起こされるまで、全く意識は無かった。「大丈夫ですか? 全て終わりました。これで霊界の探索は終了です。」「怖かったです。さっきは本当に死ぬかと思いました。もうこれで終わりだと思いました。」「そうでしたか。でも、あなたは頑張りました。生きてる方で、地獄の下層界まで足を運んだ人は殆んどおりません。本当に、ご苦労様でした。今回の霊界旅行のお礼に、貴女に私が出来る最大の贈り物を致します。」「え?なんですか? 私は、もう充分満足しています。生きてる身で霊界の全てを案内して頂いたのですから。これほど貴重な体験をさせて頂いたのですから、本来なら私が贈り物を差し上げるところです。」「いいえ、この壮大な計画も、こちらからお願いしたものですから、最後に贈り物をさせて下さい。贈り物と言っても、プレゼントではなく、とっておきの話しです。」「そうなんですか。申し訳ないです。その様におっしゃって頂けるのなら、是非、お伺いしたいです。」宮麗は疲れきった表情を一変させて、指導霊の話しに興味を示した。指導霊は今までにない穏やかな相好で、優しく話し始めた。「実は、貴女に是非伝えておきたい事があります。貴女を通して、全ての人に伝えたい事です。」辺りを見ると、霊界の太陽は益々明るくなり、黄金の光りに姿を変えて輝き、温かな霊波を放っていた。「実は、貴女にご案内した霊界以外に、更に高貴で霊波の高い世界が存在します。そこは神霊界、神界と呼ばれている所です。神界は殆んど光りに近い存在です。私は1度だけ招待されて、神霊界を訪問させて頂いたことがあります


宮麗の霊界旅行 –27–

神霊界は、霊界の太陽が間近に迫り、とにかく明るく、温かく、極彩色の草花が咲き乱れ、黄金の滝が流れ落ち、黄金の山に囲まれていました。そこには天女が住まっております。どう言う訳か、男性はおりません。凡ゆる人が女性、つまり天女になるのかも知れません。そこの天女様の1人が申しておりました。『この地に来るまでに、人は利他の魂を極限まで深化させておかなければなりません。この天界は他人の為に生きる事が全ての世界ですから。この地はとても神々しくて、幸せの極楽地です。何故なら、他人の為に生きる事より幸せな事が無いからです。霊格は最大に向上し、全てが満たされて参ります。ここに住まう人は、とても慈悲深く、優しく、美しく、笑顔が絶えず、苦しみや悲しみを体験する事はありません。でも、心配ご無用です。如何なる人も、極悪人も、無神論者も、長い、長い年月の後、最終的にはこの地を訪れる定めになっております。これが天の理なのです。』ですから、貴女も余計な心配はせず、この天女様のお言葉を信じて、貴女の人生をお進み下さい。貴女は霊格が高く、他人の為に生きておられる方ですから、いずれ天女になられる事は間違いないでしょう。さて、貴女が先ずやらねばならない事は、これまで体験してきた霊界の出来事をできるだけ多くの方々にお伝えする事です。長い間、今までありがとうございました。」指導霊は、そう言い残して白雲の絨毯に乗り、瞬時に姿を消した。呆気に取られているうちに、気がつくと宮麗は自分のベッドに横たわっていた。それ迄の疲れがどっと出て、宮麗は目を開けておられず、深い眠りに陥った。
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