終わった恋の、その後で。 〜プレイボーイな曲者御曹司は私にだけ奥手らしい〜
②伊佐美圭吾という男
――――盛大な式が終わり、ロビーには穏やかながらも小さな熱気が漂っていた。
まだこの場には二次会へ行く者と解散する者が入り乱れている。
理央は人々の流れに混じる前に化粧室へと寄ることにした。
スモークブルーのドレスに合わせて選んだモーヴピンクのリップをポーチから取り出して、色落ちした唇に引き直し前髪を整える。
――二年ぶりかぁ……。
今年で理央は二十八になる。
二年前までハンサムショートだった髪も、今ではハーフアップに出来る程度に伸びていた。
伊佐美と理央は会社の先輩後輩で、大卒で入社し新入社員研修を終えてから彼について営業の仕事を覚えた。
グロウテックは、商業施設のテナントやホテル、飲食店、セレクトショップなど店舗のコンサルや設計・設備、デザインまで網羅するワンストップの会社で、理央の所属する営業部は、親会社からの受注や外販の案件に対し、プロジェクト内容全体の進行管理の指揮を取る仕事だ。
社内の各部署との調整はもちろん、プロジェクトの納期や規模によって外部の協力業者にも依頼し、彼らの間に立ちスケジュールを管理する。
出張や車移動も多く、対外的なコミュニケーションを常に必要とするので気力体力共に日々削られてゆくが、その分やりがいも大きい。
先輩だった伊佐美は、モデル顔負けの長い手足に彫刻のような彫の深い顔が特徴の美丈夫で、最初こそ軟派な口調や時間を持て余しているような態度から軽薄なイメージが強かった。
特に煙草休憩が多く、電子タバコを片手に喫煙室に佇む姿をよく見かけた。
伊佐美についた当初、何度も喫煙室まで彼を呼びに行った覚えがある。その度に喫煙者はいいご身分だと思ったものだ。
しかし軽薄な印象は直ぐに払拭された。
伊佐美宛ての急ぎの連絡を受け、直ぐに折り返してもらうため探しに行った時のことだ。
またさぼって談笑しているのだろうと苛々とした感情を抱えていると、やはり喫煙室に女性社員と笑顔で話す伊佐美の姿があった。
まだこの場には二次会へ行く者と解散する者が入り乱れている。
理央は人々の流れに混じる前に化粧室へと寄ることにした。
スモークブルーのドレスに合わせて選んだモーヴピンクのリップをポーチから取り出して、色落ちした唇に引き直し前髪を整える。
――二年ぶりかぁ……。
今年で理央は二十八になる。
二年前までハンサムショートだった髪も、今ではハーフアップに出来る程度に伸びていた。
伊佐美と理央は会社の先輩後輩で、大卒で入社し新入社員研修を終えてから彼について営業の仕事を覚えた。
グロウテックは、商業施設のテナントやホテル、飲食店、セレクトショップなど店舗のコンサルや設計・設備、デザインまで網羅するワンストップの会社で、理央の所属する営業部は、親会社からの受注や外販の案件に対し、プロジェクト内容全体の進行管理の指揮を取る仕事だ。
社内の各部署との調整はもちろん、プロジェクトの納期や規模によって外部の協力業者にも依頼し、彼らの間に立ちスケジュールを管理する。
出張や車移動も多く、対外的なコミュニケーションを常に必要とするので気力体力共に日々削られてゆくが、その分やりがいも大きい。
先輩だった伊佐美は、モデル顔負けの長い手足に彫刻のような彫の深い顔が特徴の美丈夫で、最初こそ軟派な口調や時間を持て余しているような態度から軽薄なイメージが強かった。
特に煙草休憩が多く、電子タバコを片手に喫煙室に佇む姿をよく見かけた。
伊佐美についた当初、何度も喫煙室まで彼を呼びに行った覚えがある。その度に喫煙者はいいご身分だと思ったものだ。
しかし軽薄な印象は直ぐに払拭された。
伊佐美宛ての急ぎの連絡を受け、直ぐに折り返してもらうため探しに行った時のことだ。
またさぼって談笑しているのだろうと苛々とした感情を抱えていると、やはり喫煙室に女性社員と笑顔で話す伊佐美の姿があった。