スノードロップ
「みーゆー?」


ぼ―――っ。


ハルが私の顔の前で片手を上下に振る。


その動作でハッとして、正気を取り戻した庶民、橘心優。


ブルルルッと犬のように頭を振った私に冷たい視線を送ったハル。


パッと顔を上げると、すぐそこにあった美しいお顔。


ほぇぇぇぇ…


ついつい見惚れてしまう。


「……ゆ」


「…み…ゆ」


「心優!」


ハルに大きな声で名前を呼ばれ、再度意識を取り戻した私。


「ハル、ケガしてない…!?」


「してないしてない!」


ホッ、と安堵の息を吐く。


だって、こんな綺麗で端正なお顔に傷でも付けたら、ユーラシアの民全員を敵にぶん回すことになる(嘘つけ)。
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