スノードロップ

略して「プレイボーイ」

――キーンコーンカーンコーン…


「あ、心優ちゃん!予鈴鳴ったよ!


…ちょ、立ち止まらないで…!?」


ずっと踊り場で俯いて立ち止まったままの私。


――グイッ


「ひゃ…」


「心優ちゃんにしてはかわいー声出すじゃん」


急に視界に大きなつま先が映り込んだかと思えば、顎を大きな手で持ち上げられて、声が裏返っただけ。


強制的に視線が交わる。


「な、なに……」


「やだなぁ、そんな怖がってるようなさ、犯罪者見てるような目しないでよ」


「っ……」


スッと消えた笑顔。


ゾワッと全身の毛が逆立った。


ギュッと唇を結んで、スクールバッグを強く握りしめる。


怖い…やだっ……こんなの、いつもの光じゃない……!


いつもみたいにニカッって笑ってよ…!


「あーあー、そんな顔すんなって。冗談だよ、冗談」


何を隠してるんだろう…。


それを聞けるほどの勇気は私にはなく、光の大きな背中を追いかけた。
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