ファーストキスのプロデュース 〜昔フラれた幼なじみを最高の彼氏に育てる方法〜
指先が触れた瞬間、海斗の肩がびくりと跳ねる。


髪質は硬めでハリがあり、強いコシが残っていた。


濡れたような質感を与えすぎず、根元から空気を含ませるように指を滑らせていく。



「アンタの生え癖は綺麗だから、無理に横に流す必要はないの。黒目の内側のラインから、まっすぐ上へ立ち上げる……黄金比のセンターパートよ」


夏凜は額の中央から、重たい前髪をゆっくりと左右へと割り振った。


指先で毛束を掴み、根元をぎゅっと立ち上げながら、サイドへ流れるような毛流れを作っていく。


隠されていた額が、初夏の夕暮れの光の中に現れた。


形良く引き締まった男らしい額。そして、毛先を整え終えた夏凜の手が離れた、その瞬間――。

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