ファーストキスのプロデュース 〜昔フラれた幼なじみを最高の彼氏に育てる方法〜
「っ……!?」


夏凜の喉から、声にならない息が漏れ出た。


心臓が肋骨の内側を激しく打ち鳴らし、全身の血が一気に沸騰したかのように顔が熱くなる。


知っていたはずだった。


素材の良さも、骨格の美しさも、プロデュースの理論上、絶対に化けると確信していた。


けれど、目の前に現れた「本物の神崎海斗」の破壊力は、夏凜のすべての計算と理性を一瞬で消し去ってしまうほどに、圧倒的だった。



小5の夏、プールサイドで笑っていた太陽のような笑顔ではない。


挫折と孤独を通り抜けた少年だけが纏う、静謐で、どこか危ういまでの無自覚な色香。


まっすぐに自分を見上げてくる海斗の濡れたような瞳に囚われ、夏凜は指先を震わせたまま、ただ金縛りに遭ったように立ち尽くしていた。
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