お前の感動なんぞ知らんわ!それを客観的だと言い張るな!
「聖女ナタリーに私は感動した!!!!!!!!!!!!!よってナタリーと結婚をし、この冷血女キャサリンと婚約破棄をする!!!!!!!!!!!!!」


 突然宣言したのは我が国の馬鹿王子である。


 いやこんな馬鹿でも、母親が王妃であることと、他の側妃が元の身分が低いと言う理由で、貴族の支持がこの馬鹿に多いと言う理由で王太子になっているのである。



 だがあまりにもこのトンチキな発言故に、陛下はきっとご決断なさるだろう。


 王妃一族や貴族の支持と言うバフがあっても、こいつが後継者である方が犯罪的であると……



 ところで私がその冷血キャサリンと言われた、公爵家の娘であり、この馬鹿の婚約者である!



 王妃様、さっき呼び捨てにしてたのは嫌いだからなのですが、王妃様が、あっちも私のことは嫌いだろうに、あまりにも息子が馬鹿過ぎるからってことで、年が近い公爵令嬢で一番まともそうな私を婚約させたってわけだ。



 でもまさか馬鹿息子があんなことを言いだすとはね……


 そしてあいつの言い分を聞いてやろう!


 いかに狂っているかが分かる!




「何でまたみんなの社交場でこんなことを言ったのですか?」



 私が3歳でも分かる疑問を聞いてやると……




「はーっはっはっはっはっは!冷血キャサリンよく聞け!ナタリーは本当に素晴らしい聖女なんだ!だからいかに妻に相応しいかを教えてやろう!」




 ……ナタリーって教会が勝手に持ち上げている男爵令嬢ですよね?


 聖女とか何とか言われているけど、私からしたら実体はろくでもない役立たずにしか見えないのですが、むしろ王太子ならば、ああいうろくでもない奴らを、解散させるべきだとすら思うのですが、何を言っていることやら……




「ナタリーは本当に素晴らしいんだ、こんな冷血女と違ってな!」




「……分かりましたけど、何が違うのか教えて下さいよ!」




「ふん、いかにお前は冷血だったかを身に染みて反省するが良い!」



 いいからさっさと説明しろよ!


 他の貴族だって困惑してるかもしれないが、はよしろって思ってるわボケが!




「いいか?ナタリーはなぁ!民のために食事を配っているのだ!素晴らしいだろう!感動した!!!!!!!!!!!!!!!」




 ……こいつ本当に調べてねぇんだな、あんなのパフォーマンスだろうが!


 もちろんパフォーマンスだろうが食事を配られれば嬉しい、そういう気持ちは分かるが、教会って信仰だなんだと威張って、民から金を徴収したり、馬鹿貴族からも徴収してるから、むしろ盗人が盗んだ金を一部返しているだけだろうが!



 それでいい人なんですって、最初から盗むなしか言いようがねぇよ!




「どうだ?キャサリン、お前のような冷血女には一生できまい!よって反省しろ!だから婚約破棄をされてしまうのだ!」



 ナタリーが呼ばれて湧いてくる!




「あらキャサリン様?やはり王太子様の妻には人格者こそふさわしいのですわよ?オホホホホホ!」



 私の怒りは怒髪天を衝くレベルだった。


 さっきまでは一応王太子が相手だったから卑屈にならざるを得ない面があったが、


 たかが男爵令嬢ごとき三下が、この私に喧嘩を売ったことを後悔させてやるよ!




「それは不思議ですね、ナタリーさん?人格者が他人に人格者であれなんてイキり散らすものとは知らなかった!人格者とはもっと謙虚なものと聞いたのですが、無知な私に教えて下さらない?これでも一応公爵家の教育を受けているので、自分で言うのもなんですが、教養そこそこある気でしたけど、世の中広いですわ、まだまだ知らないことがあるなんて!」


 本気の嫌味を言ってやった、勝てるものなら勝ってみろ、お前はとことんこの場で叩き潰すことを決めたからな!




「あらキャサリン様は本当に無知なのね、私は聖女なのよ、だから人格者で当然じゃない!」




「あら知らなかったわ、聖女と決まれば自動的に人格者になるのならば、ナタリーさんがここで私を殴っても人格者になるわけかしら?それならやりたい放題できるけど、そんなポジションに立つことが人格者なんて、決して人格者は言わないはずですわ?」




「キャサリン様は本当に無知ね、聖女の私がそんなことをするわけないじゃない!今だって殴ってないですわよ?だから私が人格者なのは証明済みなのよ!」




「あれ?ナタリーさんを信じろ、何故なら人格者だからだ!?何故か自分を妄信しろって言い張る人格者がいるなんて知りませんでしたわ、ああ教会ってそういえば、どれだけ盗人をしても、信じろって言い張る許されない連中でしたわね、流石教会流盗賊を聖女とラベリングロンダをしている方達ですこと!」



「キャサリン様はだから冷血とか言われるのですわ?いちいち悪意に取るのだから!」



「いやいや本当に人格者ならば、悪意にも屈しないはずですが、どうしてそんなにイライラしてなさるのかしら?」



 私が散々煽り散らしたからか、馬鹿王太子が参戦してくる!



「おいキャサリン!お前は聖女に向かって何て言いざまだ!」




「あら王太子様、結局身分で叩き潰すのですか?それが人格者がすることとは思わなかった!」




「あらキャサリン様?王太子様はあえて身分でキャサリン様を叩き潰してあげて反省させてあげている人格者ですのよ?」




 ヤバ過ぎるそれがありならば、相手を殺しておいて相手のためって言い張るからこの世から犯罪が消えるわ(笑)


 ならば私がこの場でこのクソ聖女を刺してもノーカンになるのだけど、それを理解していないのだろうか?


 本気で基地外である!


 すると騒ぎを聞いたのか陛下と王妃がやってきた!




「貴方は何を考えているの!こんな下賤なものと婚約なんて認めませんよ!」



 王妃様ブチ切れだけど、そらそうよ、政略結婚として何のメリットも無い。

 教会ごときと繋がれたくらいで、後継者になれるのなら苦労は無い(笑)




「母上!落ち着いて下さい、ナタリーの奉仕する姿に私は感動したのです!これでこそ政治ができるというもの!」




「おい我が妻よ、そなたとその一族の後ろ盾、それを差し引いてもこの愚か者を後継者にするほうが問題では無いか?流石に庇いきれまい!」



 陛下の宣言に王妃様は黙っている……



「ということで、こいつを廃嫡にして、他の子をお前の養子にするという形で決着をつければ、お前も最低限困るまい、これで同意できるな?」


 陛下の宣言に王妃様は力無くうなづく……




「馬鹿な!何故です父上!ナタリーは本当に素晴らしい聖女なんです!」



 私はさっきまで戯言を言われ続けたのでもう王太子では無いこの馬鹿に一言言ってやらないと気が済まなかった!




「知らんがな!お前の感動で政治は動いて無いから!」



 こうして馬鹿は退場させられた。


 ナタリーだが、「私は聖女なのよ!聖女をこんな目に合わせてただで済むと思っているの!」


 などと無謀にも陛下に暴言を吐くので陛下がブチ切れてしまった!


 馬鹿だろこいつ、王太子廃嫡なんてするはめになった怒りが全部お前に向くってどうして気づかなかったのか!



「なるほど教会というのは聖女というのは、王家に向かってもデカい態度を取っていいってことだな?よって国家反逆と見なす!」


 こうして教会は潰され、ナタリーは死刑となった。


 あのさぁ逆鱗って言葉があるように、普段の陛下ならばもっと温和だったけど、あのタイミングだけは無くない?


 そら自業自得よ!(笑)
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