Should I Stay or Should I Go
 太田は、私よりも明らかに多く飲み食いし、会計の時には、
「3000円でいいよ」
 当たり前のように言うが、伝票を見たところ、6100円である。
 何故、あたかも多く払ってやったような言い方ができるのか⋯⋯などと、密かに思ってしまう。
 そういうケチ臭いことは考えたくないものの、最近の私は、太田のあらゆる言動に対してモヤモヤしてばかりいる。
 大学時代からの腐れ縁なので、全くときめきがないのは致し方ない。
 恋のときめきは、せいぜい2、3年だという。
 ときめきが消えても、安らぎがあれば、不満はないのだろうけれど⋯⋯。
「もう行くわ。おやすみなさい」
 これ以上は一緒に居たくないと思い、私は足早に立ち去る。
「じゃ、また来週な」
 そんな声を背中で聞いたが、振り返らなかった。

 いつも通り、エスカレーターで地下鉄のりばへと向かう。
 ここからだと、ラッシュでも座って帰宅できる。
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