愛してるなんて、噓でしょう?
蓮 side


車を走らせながら、美月の様子を確認する。


少し疲れているようだった。

「眠かったら寝ていいよ」

「大丈夫です」

「本当に?」

「はい。蓮さんと話したいので」

その言葉に、思わず笑みがこぼれた。

「そっか。じゃあ、もう少し話そうか」

美月は今日あったことを楽しそうに話してくれた。


店に来た子どものこと。


新しく入ったケーキのこと。


何でもない日常の話。


俺にとっては、それが何より幸せだった。


組織のことも、父親のことも、今は忘れていたい。


ただ、この時間が続けばいい。


そう思った。

< 86 / 179 >

この作品をシェア

pagetop