遥か彼方、遠くまで。

*





「……朝か」


ついさっきまで、夢を見ていた気がするけど

気のせいだったのかな?


そんなことを考えながら、あと10分くらいで

鳴るであろうアラームを止めながら、

私はベットから起きた。


「あら、おはよう。今日は早いわね」


部屋から出て早々、お母さんに出くわしてしまった。

…最悪だ。


「まあ…うん。目が覚めちゃっただけ」


会いたくもない人に朝から会うとこんなにも

テンションが下がるのか、と自分でも驚く。


「ご飯はいつも通り、テーブルに置いてあるから。適当

に食べて行ってね。じゃあ、お母さんは行ってく

るわね」


「うん、分かった。行ってらっしゃい」


人と話すのにも今は、こんなにも気力を消耗する。


…こうなってしまったのはいつ頃からだっけ。


朝ごはんを食べながら考える。


まあ、分からないことを考えても仕方がない。


さっきまで考えていたことを頭の片隅に押し込んで、

私は朝の支度を進める。


「あ…、マスクが切れそう」


マスク。

それは、今の私にとって欠かせない存在だった。


マスクがあれば、私を守ってくれる。

マスクがあれば、何も心配することなんてない。


そう思わせてくれた。


だから、今日も私はマスクをつける。


…さて、準備も終わったことだし


「行ってきます」

< 1 / 2 >

この作品をシェア

pagetop