遥か彼方、遠くまで。
*
「……朝か」
ついさっきまで、夢を見ていた気がするけど
気のせいだったのかな?
そんなことを考えながら、あと10分くらいで
鳴るであろうアラームを止めながら、
私はベットから起きた。
「あら、おはよう。今日は早いわね」
部屋から出て早々、お母さんに出くわしてしまった。
…最悪だ。
「まあ…うん。目が覚めちゃっただけ」
会いたくもない人に朝から会うとこんなにも
テンションが下がるのか、と自分でも驚く。
「ご飯はいつも通り、テーブルに置いてあるから。適当
に食べて行ってね。じゃあ、お母さんは行ってく
るわね」
「うん、分かった。行ってらっしゃい」
人と話すのにも今は、こんなにも気力を消耗する。
…こうなってしまったのはいつ頃からだっけ。
朝ごはんを食べながら考える。
まあ、分からないことを考えても仕方がない。
さっきまで考えていたことを頭の片隅に押し込んで、
私は朝の支度を進める。
「あ…、マスクが切れそう」
マスク。
それは、今の私にとって欠かせない存在だった。
マスクがあれば、私を守ってくれる。
マスクがあれば、何も心配することなんてない。
そう思わせてくれた。
だから、今日も私はマスクをつける。
…さて、準備も終わったことだし
「行ってきます」