三角みつみのへんてこにっき。~きみと恋日和~
ぼーっ。
あたし、三角みつみの頭にはなぜかアホ毛が一本立っている。
触角か?
「ぼーってね、あんた頭おかしいでしょ。いつも何も考えてないんじゃない?」
親友、ユルが言う。
でもあたしは、ちゃんと考えてる。この間抜けな顔で。
それも、えっちな事を。
それも、おいしいえっちな事。
これは、あたしの頭の中の妄想を書いたものだ。

***

あたしには、好きな人がいる。
西山ゆきとせんせだ。
あたしは精神科に入院した。
そしてそこの作業療法士のゆきとせんせを好きになった。
みんな、さん付けだが、あたしだけ「せんせ」、と呼んでいる。

***

あー、せんせの顔ってどんなだっけなー、顔を思い出せない時は、相手と両思いというけど・・・と考えてるうちに、せんせって目に特徴があるよね、目玉といえばまず黄身が二つあるでしょー、それが目玉で、そう!目玉焼きにチーズとマヨネーズを乗っけるとおいしそー・・・。
???。
・・・はうあっ。
また、やってしまった。
そう、あたしは、好きな人やえっちな事を考えようとすると、おいしい妄想になってしまうのだ。
・・・と、遠くのバス停にせんせの姿が見えた。
「せんせっ・・・」
びたーんっっ。
せんせの所に走り出したものの、顔面から氷の上に見事に転んだ。
今は冬だ。
「だっ、大丈夫?!」
あたしの声に気付いたみたいで、せんせが走って来る。
「あははっ・・・今一瞬、空の上の綿あめが見えました、カラフルなやつ」
「そう・・・なんだ。気を付けてね」
と、せんせが手を差し出してくる。
!!!。
あたしはドキドキが止まらない。
今日も一日、良い日になるかな?
・・・あれ?
でもなんで、せんせ、こんな所にいたんだろう?あたしはただのお出かけだったけど。
ま、いっか。

***

「るんたるんたるん~♪」
今日はやけに気分が良いねえ、お嬢さん。(誰?)
「今日は、せんせとおデートです~♪」
ええ?!ただの作業療法日なのに?(だから、そう言ってるあんた誰って!)
にへら~。
せんせの体ってどんななんだろ?
意外とムキムキ?
それともやっぱ細い?
ああ~、ふ菓子にホワイトチョコをかけるとおいしそ~。
今日も相変わらず妄想中。
と、そこへ、
「三角さん、おはよう」
せんせが肩にぽんと手を置いてきた。
「うにゃにゃにゃにゃーーー?!」
あたしは超驚いて変な声を出してしまった。
頭のアホ毛もぴんと立つ。
だってだってだって、今のタイミングはさー・・・。
「お・・・おはようございます、せんせ・・・」
おどおどしながら返事をする。
「どうかした?」
「いや、何もー・・・」
作業療法が始まった。
真面目にやらなければ・・・!

***

「えっ、西山さんに告白ー?」
ユルが答える。
「うん、そうだよ。だって、バレンタインあるし、本気出そうかなと思って」
「ふーん、せいぜい頑張りな」
その気のない返事をするユル。
見てて。あたし絶対頑張るんだから・・・!!

***

バレンタイン当日。
「昨日は、チョコまみれになっちゃったけど、どうにかチョコブラウニー出来たし、頑張ろうっ!」
いや、チョコまみれって、一体どうやったらなるんだか・・・。
「ファイトだ、あたし!!」
そこへちょうど、せんせが通りかかった。
「あっ・・・あの・・・、せんせ、これ受け取ってくれませんか?!あたしの気持ちです!好きです、せんせを初めて見た時から好きでした!!」
「いや~。まいったな~」
「へ?」
「僕もね、君に初めて会った時から気になってて・・・かわいい子だなあって。でも、こんな場所でしょ?さすがにこの気持ちは言えないなと思ってたよ。そして、実はね・・・」
せんせが手に持っていた袋を差し出す。
「これ、三角さんに合うかなと思って。逆バレンタインだけど、良かったらもらってくれないかな?」
はにゃにゃにゃにゃ~?!せんせが私を?!そして、超乙女チックな袋なんですけど・・・!かわいい・・・。
「これ・・・、猫耳帽子~?!嬉しいです!大事にしますね!・・・・・・あ、そゆことでしたか・・・」
「え?」
せんせが不思議そうな顔をしている。
あの日、せんせがバス停にいたのは、これを買うためだったのだ。
「せんせ、大好きっ!!」
あたしは、嬉しくてせんせに抱き着いた。
「わっ!苦しいからやめてくれ・・・。これから作業療法が・・・」
「せんせ、またまた何言ってるんですか!あたしの事大好きなくせに!」
「君ねえ・・・」
今まで辛い事もあったけど、あたしはせんせのために生まれてきたんだね♡
「ちゅっ」
あたしのファーストキスは、ちょっぴり甘い味がした♡
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