スキ♡キス~トライアングルラブ~
「あの時はごめん・・・。でも、やっと今、自分の気持ちに気付いたんだ。前田が好きだ。付き合ってくれ」
そう言われて私は、ただその場に立ったまま、身動き一つとれなかった。
・・・どうして?
どうして今更そんな事言うの・・・?
私が前に告白した時は、「ごめん」って断ったのに・・・。
と、その瞬間、口に暖かいものが当たった。
「・・・・・・!?」
頭が真っ白だった私は、彼にキスされた事にも気付いていなかった。
何・・・?
何が起こったの!?
「返事、今度までに考えておいてくれる?じゃ、オレ行くから」
ど・・・どうしよう・・・。
今のが、私のファーストキスだったのに・・・!!
それに私、今、付き合っている人が・・・。
その後、私は、どうやって家まで帰ったのかも、覚えていなかった。

***

私の名前は、前田璃音。短大の二年生だ。
そして私には、林理久という彼氏がいる。
彼もまた、四年制大学に通っている。
そんな中、予期せぬ出来事が起こった。
私が前に告白して振られた人、吉田一真に、いきなり告白されたのだ。
そして、キスまでも・・・。
一真も、理久と同じ四年制大学に通っている。
だから、理久に、この事がバレてしまうんじゃないかと、不安で不安で仕方がない。


***

日曜日、理久がプラネタリウムに行こうと言ったので、二人でプラネタリウムに来ていた。
私は、プラネタリウムは初めてだったので、とても楽しみで仕方なかった。
私達は、一番後ろに座った。
そして、待ちに待った星座の上映が始まった。
と、その時、理久がいきなり口を開いた。
「璃音ってさ・・・今まで何人と付き合った?」
「・・・え!?」
「いや、答えたくないなら答えなくても良いけどさ」
「・・・・・・今まで振られてばっかりだったから、付き合うのは理久くんが初めてだよ」
「そっか・・・。じゃ、キスとかもした事ないよね?」
「!?」
その瞬間、心臓がドクンと脈打つのが分かった。
ダメだ、隠していては・・・。
本当の事を言わなければ・・・!
「私・・・ね、実はこの前、前に振られた人にキスされたんだ・・・・・・」
一瞬、理久の目が大きく見開いた。
「何だよそれ!?今までオレを騙していたっていう事かよ?」
「ち・・・違うの。そうじゃなくて、これには事情が!・・・・・・!?」
理久が突然、私にキスをした。
「オレも言いすぎた・・・。ごめん。でも、これで、おあいこだ。これからは、オレが璃音を守る!」
「・・・・・・理久くん」
今度こそ、理久だけを見れると思った。
今度こそ、上手くいくと、幸せになれると思った。
それなのに、現実は、もっと複雑なものになっていった。

***

月曜日。
今日は学校だ。
そして、いつものように学校の玄関まで来ていた。
と、そこには先客がいた。
「よっ!前田、この前の返事、考えてくれた?」
一真だった。
私は理久と一緒だったので、冷や汗が出て来るのを必死に止めながら、理久を見た。
理久は真剣な顔をしている。
その時だった。
一真にいきなり手を引っ張られてキスされた。
その瞬間、あの時の暖かい気持ちが、優しい気持ちが、よみがえって来るのが分かった。
ああ、私は今でもやっぱり吉田くんの事が好きなんだ・・・!
次の瞬間、一真に手を握られて、私達は走り出していた。
理久から、どんどん遠ざかって行くのが分かった。
そして、理久も反対の方向に走って行くのが見えたが、これで良かったのだ。
理久くん、ごめんね。
これが私の本当の幸せなの――。
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