キスするくせに、彼氏じゃない。
スマートフォンを開いた。

最後のやり取りは、一昨日の夜のままだった。

 

『今日、遅い?』

 

文字を打ってから、消した。

 

毎朝会う約束をしたわけではない。

一本早い電車に乗ったのかもしれないし、寝坊したのかもしれない。

 

聞いたら、待っていたことがわかってしまう。

 

私はスマートフォンを鞄へしまった。

 

窓に映った顔が、思っていたよりつまらなそうで、慌てて口元に力を入れた。

 

*
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