没落ラブプラン

彼氏募集中

漢字(かんじ)あー、この人もなし。

趣味はゴルフ? 私、できないや。

……56歳? さすがに年上すぎる。

ひたすら画面を上下にスクロールし続けて、早一年。

高校時代の親友が結婚したあの日から、私の婚活人生は始まった。

マッチングアプリに登録してからというもの、すでに30人以上の男性と会ってきた。

それなのに、いまだに一人、テレビの前でポテチを頬張っているのはなぜだろう。

……まあ、考えても仕方ない。

私はポテチの油がついた指をティッシュで拭き、再び画面に目を落とした。

検索条件を開き、〈3日以内に会える人〉にチェックを入れる。

もう、いちいちメッセージを重ねるのも面倒くさい。

鼻歌交じりに画面をスクロールしていると、ある一枚の写真に指が止まった。

……なに、この人。めっちゃかっこいいじゃん。

いやいや、待て。

容姿に騙されるな。

それは、この一年で私が学んだマッチングアプリの鉄則だ。

まずはプロフィール、プロフィールっと。

私は期待を抑えながら、画面を下へと滑らせた。

名前、年齢、趣味……。

そして、ある項目に目が留まった。

〈将来の夢:無職〉

…………は?

思わず画面を二度見する。

無職?

将来の夢が?

頭の中が、はてなマークでいっぱいになった。

……冗談だよね、これ。

そう思ったはずなのに。

気づけば私は、〈いいね〉のボタンを押していた。
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