月の姫の想い人
歴史女子
関口日菜梨と細川日和の出会いが始まる!
「師匠、あなたの願いは私が必ず叶えます。」
私は関口日菜梨。今は墓参りに来ている。
師匠とは、私の叔母でもある人だ。厳しい人だったけれど、私にとっては大切な存在だった。師匠の名前は関口日花梨。
私の母は事故で亡くなってしまった。私は生まれたときから母と二人で暮らしていた。
母が亡くなったのは、私がまだ二歳の頃だ。
当時の記憶はほとんど残っていない。それでも、母がいないという事実は変わらない。
母を亡くした寂しさがないわけじゃない。
けれど、私にはいつもそばにいてくれる相棒がいる。
「師匠、私、明日から中学二年生になります。琴葉も元気です。これからも見守ってください。」
この世界では、亡くなった歴史人物の魂が仲間になってくれ、一緒に戦ってくれる。私は甲賀忍者の琴葉という子を相棒にしている。
琴葉とは出会ってからずっと一緒にいる。私にとって大切な存在だ。
「主人様、そろそろ帰らなくては暗くなります。」
「そうだね。」
相棒を手に入れるには、それぞれの特性に応じた修行を終えなければならない。だが、修行を終えるだけではなく、強い想いが芽生えることも必要だ。
月以外にも、波や花などの特性がある。私は月の修行を終えるまで、三年かかった。
この世界には、人の制御を離れて暴走する存在がいる。私たちはそれを『人志』と呼んでいる。関口家は代々、人志を倒す『人消し』として活動してきた。
師匠の願い。それは、人志を全滅させ、誰もが平和に暮らせる世界をつくることだった。うまくいく保証なんてない。それでも……。
私の髪は長く、紫色をしている。瞳は水色だ。この綺麗な髪は、母譲りだと師匠が教えてくれた。
琴葉はポニーテールの結び目にリボンをつけている。瞳は水色だ。
次の日
私は進級し、中学二年生になった。
クラスに入ると、小学校の頃から一緒だった、東海くんが同じクラスみたいだった。
その後しばらくして、先生が入ってきた。さっそく自己紹介が始まった。次々にクラスメイトが自己紹介をして、とうとう私の番だ。
「関口日菜梨です。よろしくお願いします。」
次に隣の席の子が椅子から立ち上がった。
「細川日和です。一年間よろしくお願いします。」
何を考えている子だろう。少し不思議な雰囲気の子だと思った。黒髪に桜色の瞳がよく似合っていると思った。細川と聞くと細川ガラシャと同じ名字だ。
「西海晴人です。以上」
赤い瞳をした、白髪の男の子だ。
ある理由から、みんなに怖がられている。容姿が整っていることもあり女子からはイケメンだと言われている。話したことはほとんどない。
「東海青、趣味はありません。1年間よろしくお願いします。」
青色の瞳に黒色の髪。西海晴人とは幼馴染で、仲が良い。女子からも人気がある。顔も整っている。
相変わらずだな。青くんは昔から趣味を聞かれるとこう答える。
東海くんは運動神経も抜群だ。勉強ができて、私とはよく成績トップを争っている。
授業が終わったあととっとと帰って本でも読もうと思っていたら、
「関口さん私と歴史友達になってくれない?」
顔を上げると、黒のロングヘアーに桜色の瞳。細川日和だ。
「良いけど、どうして私なの?」
私は簡単に人を信用できない。だからこそ理由を聞かずにはいられない。
クラスメイトは次々と帰っていく。
「両親が私に友達いないことを知って、心配しちゃって。早く安心させてあげたいんだけど、友達を作るなら、同じ歴史が好きな子がいいと思ったんだ。」
「どうし私が歴史好きだって知ってるの?」
「去年よく図書室で歴史の本借りてたから歴史好きなのかなって思ったからだよ。」
なるほど。よく見ている人だな。
「私もあまり友達がいないから、嬉しい。だけど、歴史友達って何やるの?」
「歴史友達は、一緒に歴史について勉強したり、本を買ったりする感じかな。名前は『歴史女子』でいいんじゃない?」
そんな友達なら欲しい。
「うん」
細川さんと話してると不思議な感じだ。
「わかった。今日、好きな作家の栞先生の本が出るんだけど細川さんも行く?」
「行きたい。細川さんじゃなくて、日和でいいよ。偶然だね、私も栞先生の本好きなんだよね。」
「じゃあ私も日菜梨で。すごい偶然。」
少し恥ずかしい気がしたけれど、そう呼ばれるのも悪くないと思えた。
私は驚きを隠せなかった。まさか、好きな作家が同じなんて。
「駅前に三時集合ね。」
「了解。またねー」
と言って解散した。いつも通り一人で帰っていると、琴葉が話しかけてきた。
(主人様、友達ができてよかったね。)
うん、私も嬉しい。
人消しの相棒と、人消しは相棒が現れていなくても、心の中で話すことができる。
家に帰り、準備して家を出た。そして駅に向かった。駅に着くと、ちょうど三時になった。日和も来た。
「ねぇ、日菜梨ってどこに住んでるの?」
「瀬戸屋の近く。叔母夫婦の家なんだけどね。」
瀬戸屋とは私の家の近くにあるお店のことだ。
「瀬戸屋ね。親いないの?」
「うん。事故で亡くなって。」
「そっか。ごめん、言いたくないこと言わせて。」
「全然大丈夫。友達だし、隠し事はあまりしたくないから、話を続けて。」
みんな聞きたくなるよね。
「うん。日菜梨はさみしくないの?」
「うん。幼馴染がいたから。だけどその子も事故で亡くなっちゃって。」
「じゃあさぁ、私がずっと日菜梨の友達でいるね。」
私のせいで……親友が。
「ありがとう。」
こんな言葉をかけてくれる人は初めてかもしれない。そう思っている間に本屋に着いた。さっそく店に入った。
「栞先生の本どこかな?」
「わからない。」
日和は前に出て栞先生の本を探す。
「あった。」
「本当だ。日和は本買うの?」
「うん」
「私も買うよ。」
何気ない会話が楽しいと感じるのはいつぶりだろう。
「新刊あって良かったね。」
「少し読んでから帰らない?」
「いいよ。」
この話は、悪女だと言われてきた歴史上の人物の無実を証明しようとする女の子の物語だ。いつの間にか本に夢中になっていた。
ふと時計を見ると、もう五時になっていた。
「あっもうこんな時間。帰らなきゃ。」
「私も帰らなきゃ。」
「今日はありがとう。よければ連絡先を交換してくれない?」
「いいよ」
話しながら帰っていると、人志があらわれた。日和は、戸惑っているというより、恐怖心をあらわにしていた。
琴葉にバリケードを張ってもらうか、それともこのまま戦うか。そう迷っていた時、ある声がした。
「みーつけた。」
「西海晴人!」
屋根の上から飛び降りるなんて、どういう身体能力をしているの?
私でさえ琴葉がいないと大怪我するのに。
「あー出遅れちゃった。」
「東海青!」
続けて東海青も屋根から飛び降りる。驚いている私を無視して、西海晴人が口を開く。
「関口日菜梨……あんた、何者?」
とても冷たい目。
私のことをとても警戒しているようだ。
私の中では戦うのに迷っていたので二人が現れて選択肢が増えて少し都合がいい。
「その話はこの化け物を倒してから。琴葉バリケードを。」
「承知いたしました。主人様」
「つ、月の修行を終えているだと。」
正解晴人が驚きの声を上げた。
「調子に乗るな。米よ、多く集まりたまえ。」
人志が大きな声を上げる。だけどこのぐらいの強さなら琴葉の技の一撃で倒せる。
「琴葉倒そう。」
「承知しました。」
「二の月・月うさぎ」
琴葉がうまく技を決めてくれたので少し時間が経ったころに正気に戻った。
「お主らか?私の呪いを解いたのは。」
「はい。」
「礼を言うぞ。」
「気になさらないでくださいませ。」
「優しさに感謝する。」
そう言うと、かつて人志だった者は消えていった。
「で、それで説明してもらおうか。」
西海晴人が私に言う。
汗がだらだらと流れる。
まずい、能力がバレた。そう焦っていると、東海くんが何かを尋ねようとして口を開いた。その瞬間、日和が声を上げた。
「日菜梨行こう。」
「う、うん」
私の手を引き、日和はその場から逃げ出した。
追いかけてこようとした西海晴人に東海青が何かを言うのが最後に目に入った。
「どうせ明日、今のことについて学校で聞けばいい。」
「わかった。」
一方、その頃、私と日和は、
「明日、さっきのことを詳しく教えて。」
「わかった。」
そりゃ気になるよね。でも、話していたら遅くなるから、明日にしてくれたんだよね。
「じゃあ、また明日」
「うん。また明日」
私は関口日菜梨。今は墓参りに来ている。
師匠とは、私の叔母でもある人だ。厳しい人だったけれど、私にとっては大切な存在だった。師匠の名前は関口日花梨。
私の母は事故で亡くなってしまった。私は生まれたときから母と二人で暮らしていた。
母が亡くなったのは、私がまだ二歳の頃だ。
当時の記憶はほとんど残っていない。それでも、母がいないという事実は変わらない。
母を亡くした寂しさがないわけじゃない。
けれど、私にはいつもそばにいてくれる相棒がいる。
「師匠、私、明日から中学二年生になります。琴葉も元気です。これからも見守ってください。」
この世界では、亡くなった歴史人物の魂が仲間になってくれ、一緒に戦ってくれる。私は甲賀忍者の琴葉という子を相棒にしている。
琴葉とは出会ってからずっと一緒にいる。私にとって大切な存在だ。
「主人様、そろそろ帰らなくては暗くなります。」
「そうだね。」
相棒を手に入れるには、それぞれの特性に応じた修行を終えなければならない。だが、修行を終えるだけではなく、強い想いが芽生えることも必要だ。
月以外にも、波や花などの特性がある。私は月の修行を終えるまで、三年かかった。
この世界には、人の制御を離れて暴走する存在がいる。私たちはそれを『人志』と呼んでいる。関口家は代々、人志を倒す『人消し』として活動してきた。
師匠の願い。それは、人志を全滅させ、誰もが平和に暮らせる世界をつくることだった。うまくいく保証なんてない。それでも……。
私の髪は長く、紫色をしている。瞳は水色だ。この綺麗な髪は、母譲りだと師匠が教えてくれた。
琴葉はポニーテールの結び目にリボンをつけている。瞳は水色だ。
次の日
私は進級し、中学二年生になった。
クラスに入ると、小学校の頃から一緒だった、東海くんが同じクラスみたいだった。
その後しばらくして、先生が入ってきた。さっそく自己紹介が始まった。次々にクラスメイトが自己紹介をして、とうとう私の番だ。
「関口日菜梨です。よろしくお願いします。」
次に隣の席の子が椅子から立ち上がった。
「細川日和です。一年間よろしくお願いします。」
何を考えている子だろう。少し不思議な雰囲気の子だと思った。黒髪に桜色の瞳がよく似合っていると思った。細川と聞くと細川ガラシャと同じ名字だ。
「西海晴人です。以上」
赤い瞳をした、白髪の男の子だ。
ある理由から、みんなに怖がられている。容姿が整っていることもあり女子からはイケメンだと言われている。話したことはほとんどない。
「東海青、趣味はありません。1年間よろしくお願いします。」
青色の瞳に黒色の髪。西海晴人とは幼馴染で、仲が良い。女子からも人気がある。顔も整っている。
相変わらずだな。青くんは昔から趣味を聞かれるとこう答える。
東海くんは運動神経も抜群だ。勉強ができて、私とはよく成績トップを争っている。
授業が終わったあととっとと帰って本でも読もうと思っていたら、
「関口さん私と歴史友達になってくれない?」
顔を上げると、黒のロングヘアーに桜色の瞳。細川日和だ。
「良いけど、どうして私なの?」
私は簡単に人を信用できない。だからこそ理由を聞かずにはいられない。
クラスメイトは次々と帰っていく。
「両親が私に友達いないことを知って、心配しちゃって。早く安心させてあげたいんだけど、友達を作るなら、同じ歴史が好きな子がいいと思ったんだ。」
「どうし私が歴史好きだって知ってるの?」
「去年よく図書室で歴史の本借りてたから歴史好きなのかなって思ったからだよ。」
なるほど。よく見ている人だな。
「私もあまり友達がいないから、嬉しい。だけど、歴史友達って何やるの?」
「歴史友達は、一緒に歴史について勉強したり、本を買ったりする感じかな。名前は『歴史女子』でいいんじゃない?」
そんな友達なら欲しい。
「うん」
細川さんと話してると不思議な感じだ。
「わかった。今日、好きな作家の栞先生の本が出るんだけど細川さんも行く?」
「行きたい。細川さんじゃなくて、日和でいいよ。偶然だね、私も栞先生の本好きなんだよね。」
「じゃあ私も日菜梨で。すごい偶然。」
少し恥ずかしい気がしたけれど、そう呼ばれるのも悪くないと思えた。
私は驚きを隠せなかった。まさか、好きな作家が同じなんて。
「駅前に三時集合ね。」
「了解。またねー」
と言って解散した。いつも通り一人で帰っていると、琴葉が話しかけてきた。
(主人様、友達ができてよかったね。)
うん、私も嬉しい。
人消しの相棒と、人消しは相棒が現れていなくても、心の中で話すことができる。
家に帰り、準備して家を出た。そして駅に向かった。駅に着くと、ちょうど三時になった。日和も来た。
「ねぇ、日菜梨ってどこに住んでるの?」
「瀬戸屋の近く。叔母夫婦の家なんだけどね。」
瀬戸屋とは私の家の近くにあるお店のことだ。
「瀬戸屋ね。親いないの?」
「うん。事故で亡くなって。」
「そっか。ごめん、言いたくないこと言わせて。」
「全然大丈夫。友達だし、隠し事はあまりしたくないから、話を続けて。」
みんな聞きたくなるよね。
「うん。日菜梨はさみしくないの?」
「うん。幼馴染がいたから。だけどその子も事故で亡くなっちゃって。」
「じゃあさぁ、私がずっと日菜梨の友達でいるね。」
私のせいで……親友が。
「ありがとう。」
こんな言葉をかけてくれる人は初めてかもしれない。そう思っている間に本屋に着いた。さっそく店に入った。
「栞先生の本どこかな?」
「わからない。」
日和は前に出て栞先生の本を探す。
「あった。」
「本当だ。日和は本買うの?」
「うん」
「私も買うよ。」
何気ない会話が楽しいと感じるのはいつぶりだろう。
「新刊あって良かったね。」
「少し読んでから帰らない?」
「いいよ。」
この話は、悪女だと言われてきた歴史上の人物の無実を証明しようとする女の子の物語だ。いつの間にか本に夢中になっていた。
ふと時計を見ると、もう五時になっていた。
「あっもうこんな時間。帰らなきゃ。」
「私も帰らなきゃ。」
「今日はありがとう。よければ連絡先を交換してくれない?」
「いいよ」
話しながら帰っていると、人志があらわれた。日和は、戸惑っているというより、恐怖心をあらわにしていた。
琴葉にバリケードを張ってもらうか、それともこのまま戦うか。そう迷っていた時、ある声がした。
「みーつけた。」
「西海晴人!」
屋根の上から飛び降りるなんて、どういう身体能力をしているの?
私でさえ琴葉がいないと大怪我するのに。
「あー出遅れちゃった。」
「東海青!」
続けて東海青も屋根から飛び降りる。驚いている私を無視して、西海晴人が口を開く。
「関口日菜梨……あんた、何者?」
とても冷たい目。
私のことをとても警戒しているようだ。
私の中では戦うのに迷っていたので二人が現れて選択肢が増えて少し都合がいい。
「その話はこの化け物を倒してから。琴葉バリケードを。」
「承知いたしました。主人様」
「つ、月の修行を終えているだと。」
正解晴人が驚きの声を上げた。
「調子に乗るな。米よ、多く集まりたまえ。」
人志が大きな声を上げる。だけどこのぐらいの強さなら琴葉の技の一撃で倒せる。
「琴葉倒そう。」
「承知しました。」
「二の月・月うさぎ」
琴葉がうまく技を決めてくれたので少し時間が経ったころに正気に戻った。
「お主らか?私の呪いを解いたのは。」
「はい。」
「礼を言うぞ。」
「気になさらないでくださいませ。」
「優しさに感謝する。」
そう言うと、かつて人志だった者は消えていった。
「で、それで説明してもらおうか。」
西海晴人が私に言う。
汗がだらだらと流れる。
まずい、能力がバレた。そう焦っていると、東海くんが何かを尋ねようとして口を開いた。その瞬間、日和が声を上げた。
「日菜梨行こう。」
「う、うん」
私の手を引き、日和はその場から逃げ出した。
追いかけてこようとした西海晴人に東海青が何かを言うのが最後に目に入った。
「どうせ明日、今のことについて学校で聞けばいい。」
「わかった。」
一方、その頃、私と日和は、
「明日、さっきのことを詳しく教えて。」
「わかった。」
そりゃ気になるよね。でも、話していたら遅くなるから、明日にしてくれたんだよね。
「じゃあ、また明日」
「うん。また明日」