ミラーボール




手を伸ばした、その指先に触れたのは、ギターだった。



きっかけは一人の女の子。



ギター片手に歌っていたのだ。



校庭のベンチで。



聞いた事もないその歌は、きっと彼女のオリジナルなんだろう。



優しいその声に、聞き入りそうになって、それでも彼女の前で立ち止まる行為が恥ずかしくて通り過ぎた。



それから、ギターを買って練習した。



本を買って、誰も教えてくれる人がいなかったから、必死で読み込んで。



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