クリスマス*ガーデン

 克巳に、気の効いた言葉をかけたくて……。でも、上手い言い回しが見つからない。

 どう、すれば……。


「クリスマス・ガーデン」


 えっ?


「その景色のことを、クリスマス・ガーデンって言うんです」


 クリスマス・ガーデン――


「綺麗な名前ね」

「はい、昔読んだ外国の物語に、こんな一節があったんです」


 克己は、嬉しそうに話し始めた。


「星の囁きの聞こえる、満天の聖夜に、居合わせた男女は、運命の相手だ、って…――」

「……」

「幼い頃じぃさんに貰ったその本を読んだ後、どんな景色か見たくてたまらなくなった」


 克己は、思い出すように目を閉じる。



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