クリスマス*ガーデン

 克巳は、ひょいっと立ち上がって、暖炉の上に置いていた鍋の中身を確認していた。


「調度いいかな?」


 暖炉の上から鍋を下ろし、私の前に置く。


「ひとみさん、足と手を、つけて下さい」

「熱くない?」

「大丈夫です、湯かげん見たんで」


 私は、おそる恐る、ウェアを捲った手足を鍋に入れた。


「……あたた、かい」


 ヒリヒリする熱さの後、ジンワリと奥まで温かさが染み込んでくる。やっと震えがおさまって、ホッと、出来た気がした。


「落ち着いた?」

「えぇ、ありがとう」

「……あと、聴いてもいいですか?」



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