クリスマス*ガーデン

 大野さんと過ごす、初めてのクリスマスだったけど……。


「ありがとう」


 克巳は、照れたようにうつ向いて、私の右手を乾いたタオルで拭き、マッサージをしはじめた。

 男の子に、こんな風に触れられるのは、慣れていないから……。私より、だいぶ大きな手の平に包まれて、どぎまぎする。

 どうしよう、恥ずかしい。


「あのっ、……もう、だっ、大丈夫よ?」

「軽い凍傷は、こうやって血行を良くさせないと、後がツライんだよ」


 さすが雪国育ち。

 でも、タオル越しの大きな手の暖かさが心地よくて、照れくさい。


「かっ、克己くん、彼女は?」



< 16 / 30 >

この作品をシェア

pagetop