【短編】クリスマス*ガーデン
不器用に
差し延べられた手
真っ直ぐに
私を見つめる真剣な瞳。
さっきの意味は
そう言うこと、だよね?
「……」
私
この手を取ったら
きっと、後悔する。
でも
取らなかったら
もっと、後悔する。
そう、思った。
「……」
克己の
吸い込まれるような
真っ直ぐな瞳から
目がそらせない。
運命の輪が回る
瞬間――
私は
差し延べられた
克己の手に
ゆっくりと
自分の手を重ねた。
FIN