クリスマス*ガーデン

 不器用に、差し延べられた手。真っ直ぐに、私を見つめる真剣な瞳。

 さっきの意味は、そう言うこと、だよね?


「……」


 私、この手を取ったらきっと、後悔する。

 でも

 取らなかったらもっと、後悔する。

 そう、思った。


「……っ」


 克己の、吸い込まれるような、真っ直ぐな瞳から目がそらせない。


 運命の輪が回る、瞬間……―――


 私は、差し延べられた克己の手に、ゆっくりと自分の手を重ね合わせた。














fin


< 28 / 30 >

この作品をシェア

pagetop