窓のない窓際

ツレナイ奴

 
寿也が気の毒そうに笑う。


「……何笑ってんだよ」

「いや、まさか瑞希がフられるなんて思わなかったから」

「は!?
フられてねーよ!
まだ告ってねーし!」

「あー、はいはい、分かった分かった。
あんまムキになってんじゃねーよ、だせーな」


寿也は俺の口を手で塞ぐと、呆れたと言わんばかりに長い息を吐いた。


「でも珍しいな。
瑞希がそんなにへこむなんて。
そんなに水上のことマジだったの?」

「るせーよバーカ……」


これはへこんでるんじゃなくて、予想外の展開にちょっと驚いただけ!


いや、マジだし!


俺がへこむとかないない!


絶対ないっ!


 
< 37 / 165 >

この作品をシェア

pagetop