眠り姫が醒める時
最後の刻


公園に着くと、
見覚えのある、人が一人。


もちろんその人は恭。




『恭-!』



「愛っ!声でかい!」



人差し指を口に当てシーと言う。






『ごめんごめん…』


その後すぐに今日の顔が真剣な顔へと変わるのを私は見逃さなかった。



「おれ…今日死ぬかもしんねえ…」




『あたしもだよ…死ぬ覚悟できたの…』






「なら…よかった…」






悲しそうな顔をする恭。


たぶんあたしのお母さんが心配なんだと思う。




『お母さんならきっと大丈夫だよ!』



「あぁ……」



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