お隣さんの恋愛事情
―――……
どうしよ……なんて思っている間にも時間は進み。
「あんた!今日合コンって言ったでしょ!何その格好!!」
合コンということをすっかり忘れていた。
会社が終わり、私服に着替えていると、隣にいた朝子の顔がみるみるうちにこわばっていく。ゾクっと背筋が凍りつくのがわかり、思わず足が一歩下がる。
「あの、忘れてました…」
素直に謝るしかない。謝らねば命はないと必死で頭を下げた。もう良いかなぁなんてチラッと目線だけ上げて朝子を見た。…のが間違いだった。
「まだ時間あるし…私んち行くよ!」
「えっ、ちょっ、今日は見なきゃならないテレビが…」
「テレビと自分の人生、どっちが大事?」
笑っているはずなのに、目が笑ってない朝子の顔は今まで見たこともないくらいの恐ろしさだった。
「…じ、自分の人生、です…」
そう言ったと同時に、捕まれた腕が抜けるかってくらいの勢いで引っ張られた。
本当はテレビのほうが大事…なんて言えるはずはなかった…。