素直になれたら

1.島崎美嘉

快晴。

朝からここまで天気がいいと逆に調子狂う。

…と言うのはただの言い訳。私が調子狂ってる理由はただ一つ、眠いからだ。私は朝が弱い。

アラームのうるさい音で目覚める朝ほど不愉快なモノはないってくらい…。

「あ〜…ねむ…」


昨日は何だかんだで学校出たのが8時近くになった。
家に着いたのは10時くらいだったと思う。

部活をやってた訳ではない。私ら3年は既に先月、部活の引退期を迎えたのだ。で、何をしていたのかと言うと、特に何かをしていた訳でもなく、ただただ教室で騒いでただけだ。

ホントは早く帰って寝たい気持ちもあったけど、ゆりがどーしても家に帰りたくない、と言うからその時間まで教室に居る事になった。なにも嫌いな親戚が家に来ていて、夜には帰るらしいので出来れば会いたくない、との事。


「そーゆうのは彼氏に付き合ってもらうんじゃないの?」
と無自覚に言い掛けたけど、つい一昨日、
「もう最悪!!さいあくだよぅ〜!!」
と泣きついてきたゆりの顔を思い出し、なんとか制御できた。要するに喧嘩した訳。

で、私が付き合う事になったのだ。考えてみれば、ゆりとああして夜まで居るってのも久しぶりだったな…。

いつもは大抵彼氏にぞっこんなので、長い時間一緒にいるってのはやっぱり彼と喧嘩した時くらいだ。



暑い……。真夏日の日差しをジリジリ受けながら私は学校を目指した。

さすがに歩いてるうちに眠気は覚めるものの、私はどうも朝は不機嫌になる。…いつも以上に。…これ、私の短所。

間もなくして校舎が見えてきた。
私が通う松波中学は築30年で綺麗とも古いとも取りがたい月並みな学校。ただ、ここらの地域じゃ異例なくらいに校則が甘く、生徒の身嗜みが非常に崩れている。そう言ったことがやけにシビアな大人達の鼻につくらしく、非常にだらしない学校として有名だ。

かくゆう私も髪は染めているけど。
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