素直になれたら

2.川崎翔


「なぁ翔ちゃん何寝てんだよ!!バスケやっぺよ。今日俺ら体育館使えっからよ」



…ふと顔を上げると同じバスケ部だった浜岸新一郎がいかにもやる気満々って顔でそう言った。

俺はコイツを新ちゃんと呼んでる。

「あぁ……バスケかぁ〜どうすっかな」

「何翔ちゃん、なんかあった!?」

「んん…なんかなかった訳でも無いけどさぁ……」

「何なに」

そう言って新ちゃんは前の席にドカッと跨った。
「いやぁ…俺って実は嫌われてんのかなぁ〜なんて…」

「美嘉ちゃんに?」

「ああ」

「…ふぅん、でも美嘉ちゃんの性格だったらお前んトコ嫌いになったらハッキリゆうと思うけどな…」



…まぁそうかもしんねぇけど……。



俺は時々、いや結構こんな風に落ち込む。その理由は十中八九、彼女の島崎美嘉の事で。


「なんか訳解んねんだよアイツ…何考えてんだか…」

「へぇ〜…なんなら俺から聞いてみっか?翔ちゃんトコ嫌いなの?って」

「どうせ嫌いって言いそうだけどな」

普通に考えて美嘉が、「好きだけど?」とか言うようには思えない。その辺は解る。

「ははっ、俺も思った」

まぁ所詮コイツにも解られてる事なんだけど……

「そいやさ、加藤、ゆりちゃんにシカトされてるらしいぜ」

「え?マジ?」

「うんマジマジ!」


ほぉ…それは以外だな…

俺はそう言った話題に敏感だから気付かなかったのはちょっと不覚かもな…。
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