奴のとなり
「桜っ!!」
よく聞きなれた声。
でもいつもと違う雰囲気を纏った声。
それがちょっとした空間に木霊する。
和やかだった空気が一瞬で張り詰める。
それは、
聴こえてきた声が
危機感と怒りを含んでいたから。
振り返ると、
息を切らした奴がいて、顔は恐い。
眉間の皺は深い、
無造作な髪は崩れているし、顔色も紅潮している。
言ってみれば今日は赤鬼。
奴が異常な空気を出したりするもんだから、
彼女達は完全にびびちゃってる。
あたしも少しちびりそうにはなっている。