奴のとなり



「桜っ!!」



よく聞きなれた声。



でもいつもと違う雰囲気を纏った声。



それがちょっとした空間に木霊する。



和やかだった空気が一瞬で張り詰める。



それは、
聴こえてきた声が
危機感と怒りを含んでいたから。



振り返ると、
息を切らした奴がいて、顔は恐い。



眉間の皺は深い、
無造作な髪は崩れているし、顔色も紅潮している。



言ってみれば今日は赤鬼。



奴が異常な空気を出したりするもんだから、
彼女達は完全にびびちゃってる。



あたしも少しちびりそうにはなっている。










< 150 / 555 >

この作品をシェア

pagetop