奴のとなり



支払いが済んでなかったから、食い逃げと間違われて大変な目にあった。



その時は彼女も慌てて素敵な感じに戻ってたけど、また興奮し始めてる。



服を手にとっては、


「これじゃやりすぎかなぁ・・・、でも相手は一樹だし・・・」


なんて意味不明な呟きを繰り返して、服が山積み。



さっきまでは何をしようとしてるのか突き止めようと、途中で口を挟んだりしてみたけど、聞いてくれないから諦めた。



それにしても、あたしが着なくてはならないだろう服たちの過激度が上がって来てる。



段々服の生地が薄くなってきてるし、可愛さもアップしてる。



まだ12月だよ?



こんなに寒いのに、そのペラペラさは何?



絶対春服・・・、夏服じゃん。



これは着た後風邪と戦わなくちゃ。



そんな事を思いながら、あたしは店内をぐるぐる回っていた。










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