奴のとなり



「とっ・・・!」



改めて呼ぶとなると、恥ずかしい・・・。



死にたい。



呼んだことで悪いことなんて起こらないって分かってるし、むしろ喜ばれるのに。



あたしは無性に緊張してた。



携帯を握り締めた手もちょっと湿ってる。



「と・・・っとうっ!」



「何してんだ?」



奴は呆気に取られてて、ちょっと可哀相なものを見る目をしてる。



ちょっと、あたし、今頑張ってるんです。



邪魔しないで頂きたい。













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