奴のとなり



あたしはただ、きちんと奴に、いや、桃矢さんにおめでとうって言いたかっただけって理由で、このくそ寒い中待ってたのかも。



ゆっくり歩き始めて、ぽつりぽつりと会話しながら歩いた。



内容は本当にどうでもいいことばっかりで、きっと半年先には思い出せもしないような内容。



でも、何気ない話をするってことも大切で、あたしはこういう時間に幸せを感じる。



行き先の神社はこの辺りじゃ有名なところで、1日の夜ってのは人が凄い。



着物を着た人、袴を着てる人もいたりなんかして、多種多様な人がごちゃまぜになってる。



あたしはカステラを頬張りながら、境内へと向かっていた。













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