奴のとなり
act.11

1.大魔王降臨




すたすた前を歩く桃矢くんを見てる限り、緊張なんてしてなさそうで、仮にも彼女んちに挨拶っていうか、呼び出されたようには見えない。



そんな奴を眺めながら、あたしは少し後ろを歩いてた。



公園から家までって案外すぐの距離で、あっという間に玄関に立ってて、自分でも無意識に緊張してたのかって驚かされた。



「もう中にいんのか?」



「寝てるかも…。いや、寝てる」



「ふーん」



鍵穴に鍵を差し込んで、ドアを開ける。



「ただいま〜」



「おじゃまします」



後ろから聴こえた意外な言葉に耳を疑った。
だって桃矢くんだよ?!
自己中唯我独尊系の桃矢くんがだよ!?



おじゃまさますってあんた!!



思いっきり顔に出てたのか、奴の眉間に皺が寄る。



「別に意外とか思ってないよ」



「思いっくそ顔に出てる」



「へへっ」




完璧バレてた。
まぁ本当に意外なんだから仕方ないよね。



適当にわらごましながら、あたしはリビングへ続く廊下を歩いた。












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