奴のとなり



そうでなくとも会えなくて寂しさマックスだったあたしは、小さなことでも拗ねてしまうらしい



些細な仲間外れでも悔しいらしい



本当に変になっちゃった



ご飯を終えて、和やかに話してると、ふと頭の中をキラサギミカさんが過ぎる



聞いてもいいのか、それは地雷なのか…



あたしにも関わりがあるけど…



「どうやってちゃんとしたの?」



考えてる途中だったのに、口は軽やかに聞きたいことを口にする



口の方が素直



和やかだったのに、桃矢くんの目が一瞬開かれて、目が合った



サツキさんは何食わぬ顔でお茶を優雅に啜ってる



桃矢くんは顔に影を落とすと、深呼吸なのか、溜め息なのか分からないような息をはき出した



「話し合い」



「二人は付き合ってるって噂聞いた」



「……しようとした」



その時を思い出してるのか、桃矢くんの表情は暗い



「話聞いてもらえるまでが長かった」



眉間に皺を深く寄せて窓の外を見る桃矢くんは妙に色っぽくて、あたしは一瞬見とれてた



皺を人差し指で押して和らげる



触れられたことに吃驚したのか、ばっとこちらを向いたものの、表情を綻ばせると優しく笑う



不意打ちの笑顔は心臓に悪い



とっても

















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