奴のとなり



明日デートだ!



そう思うと寝つけなくて、あたしは無駄にベッドでごろごろしていた



やっと寝れたのは3時



で、7時にけたたましく鳴る携帯



瞼がまだヤダって言わんばかりに重たい



微かに瞼を押し上げた目でディスプレイを確認すると、"小悪魔さん"と表示されていた



しかも着信



慌てて通話ボタンを押すと、電話の向こうから朝なのに変わらず艶やかな声が耳に届く



『おはよう。寝てた?』



「起きてました…」



軽く嘘をついてみるけど、



『起こしてごめんなさい』



呆気なくバレた



しかも流された



『今日デートなんでしょ?』



「そなの〜」



『ふふふ…ついに来たのね』



あたしの返答に小悪魔さんの怪しすぎる笑い声が響く



とても楽しそう



あたしはぼうっとする頭で小悪魔さんの続きを待った



『今日は戦よ。まずは起きあがりなさい』



目を擦りながら、小悪魔さんの指令に従う



顔を洗う、歯を念入りに磨く、パジャマを脱ぐ



次々とお母さんのような指令が続く



少し頭が冴えてきながらも、まだ眠気の残りる体は素直だ



『新しい下着を身につけなさい。出来れば可愛らしいやつをね』



ん?



小悪魔さんの指令に初めて疑問を覚えた














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