奴のとなり



リビングに向かうと、ソファーに座って雑誌を読んでた桃矢くんと目があった



「遅ぇ」



「うん」



「小悪魔何て?」



「うん、落ち着かせてくれた」



「へぇ、いい奴だな」



「そうなの。……………っん!?」



「ん?」



いえ、もういいのです



何で小悪魔さんと電話してたこと知ってるの!?なんて聞きませんとも



平凡なあたしの周りにはエスパーばっかり集まってるらしい



「んなとこ立ってないで座れよ。言われたとおり落ち着け」



ポンポンと桃矢くんの隣の空いてるところを叩きながら、手招く



近けりゃ近いほど緊張するんですが…



いつ、どんなタイミングでそういう展開になるのかわからなくて、あたしはずっとソワソワしてた



たまに、「落ち着きねぇな」って桃矢くんが笑うけど無理なものは無理なんです



案外座っていきなりエイってことはないらしい



色々話したり、テレビ見たり、桃矢くんの読んでいた雑誌を一緒に見たりしてると、いつの間にか気がゆるんできて



さっきまでの緊張なんてどっかに飛んでいってしまっていた



そんなときに、そんなときはやってくる













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