奴のとなり



保健室に戻ると、何故かたくさん人がいる



とっても見知った人たちが



桃矢くん、小悪魔さん、ケイちゃん、先生



何故か桃矢くんと小悪魔さんは険悪な雰囲気で、ケイちゃんはそんな二人を宥めようと間に入ってる



先生はあまり騒がないでね



なんて大人な顔して書類に向き合ってる



少し気まずい思いで、みんなの輪に入った



「具合どう?」



自棄に心配そうに顔を歪めた小悪魔さんは、あたしの顔をじっと見る



様子を伺うように



「隣の子、さくちゃんやったんかいな。なんか悪いもんでも喰ったんやろ」



当たらずも遠からず…



素敵なリンゴ様を食しすぎて、こうなったのですよ



ケイちゃんの言葉には苦笑いしかできない



「顔色悪ぃな」



桃矢くんの冷たい手が頬に触れる



「大丈夫だよ。心配かけてごめんなさい」



「昼、食えるか?」



そう言って出されたのは購買のパンやお弁当、飲み物たち



それにプリン



ふわりと室内にご飯の香りが漂う



それと同時に吐き気



とっても魅力的だけど、寝不足すぎて匂いが気持ちわるい



思わず口を手で覆うと、保健室を掛け出た



またトイレに出戻り



なんか、もう格好悪すぎる…



さっきより更にふらふらする体を壁に沿わせながら、あたしは保健室に戻った



これは窓を開けてベッドにダイブするしかない



もう瀕死の状態で辿り着いた保健室



何故だか雰囲気がさっきより重たい



気になったけど、それを突き止めるだけの元気がないから窓だけ開けるとベッドに横になった













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