奴のとなり




「どう思った?パパになるかもって思ったとき」



思わずそう口に出していた



知りたいって思った



怖かったけど知りたいって



あたしの疑問に桃矢くんはとっても驚いたようだけど、少し考え込むように黙り込むと、やわらかい笑みをこぼした



あんな顔してるって知ったら、桃矢くんは驚くんじゃないかなって顔



「困るって分かってた。考えるまでもねぇ。でも何でもやれる気になった。不思議だよな」



短い言葉をつなぐように、桃矢くんの手があたしの手を握る



そこから広がる温かさは、じわりとあたしの中に広がった



「あいつらが騒ぐのも分かるから困るよな」



やっぱりその場に居たかった



ケイちゃんが子供グッズにウキウキしてて、小悪魔さんが冷たい目で見ながら一緒に選んでて、楽しそうなナナミさんがいて、柔らかく笑う桃矢くん



なんて幸せな感じなんだろう




自分ひとりの世界に浸っていると、桃矢くんの手が少し緩んだのを感じて顔を上げた




「どうしたの?」



あたしの声に桃矢くんははっとしたような顔する



桃矢くんもトリップしてたっぽい



「いや、どっちにしても行くつもりだった」



謎の返答



あたしは意味不明ながらにうなずいた















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