向日葵-the black cat-
ヨシくんが俺のためを思って言ってくれてるのはわかるけど、それでもどうしても、受け入れることを拒んでしまう。


時計の針はいつの間にか夕刻を指し示していて、でも、相変わらずのグレーの色した空は、時間の感覚さえも失わせていた。



「お前はただ、自責の念に駆られてるだけなんだ。」


「…難しい言葉使うなよ…」


「一緒に居てやれなかったとか、守ってやれなかったとか。
そうやって自分を責めるのはやめろ、って言ってんだ。」


ため息混じり白灰色を吐き出しながら、そうヨシくんは、煙草を消した。


ステンレスで統一された家具が余計に部屋を冷たい印象にしてしまい、そんな中で俺は、うずくまるように毛布の端を握った。



「…ヨシくん、さぁ。」


「ん?」


「人殺そうと思ったこと、ある?」


「あるよ。」


「…あるんだ?」


「二人、な。」


「へぇ。」


「由美を轢いたヤツと、あとはお前。」


「…俺?」


「そう。
人の妹奪って妊娠までさせて、って。」


「じゃあ、何で殺さなかったの?」


「死にたがってるヤツを殺したって、喜ぶだけだろ?
だから、殺してやらなかったんだ。」


「へぇ。」


死ぬよりももっと辛いこと、か。


冷たい部屋と冷たい瞳に、無意識のうちに俺は、被っていた毛布を肩口まで上げた。


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