有罪モラトリアム

部室に戻ると、みんな後片付けをしているところでした。
私も掃除を少し手伝いました。
Yさんは何事もなかったかのように談笑しています。
YさんはFさんと喋っていました。

Fさんは今でもカナタさんのこと好きなのかな・・・?

なんだか心配になってきてしまいます。

後片付けと掃除を終えて、部員は次々に帰っていきました。

カナタさんは最後まで掃除やら、書類のまとめやらをしていて、
私もずっと彼の仕事が終わるのを待っていました。

とうとう部室には、部長と私、彼の3人だけになりました。


O「じゃあな。カナタ、鍵閉めて出てくれ。」


彼「はい。」


時刻はすでに夕刻でした。
彼と部室で2人っきりです。
なんだかちょっとドキドキしてしまいます。


彼「Yに何かされましたか?」


唐突に聞かれました。
何か???
何かって・・・???


私「え?」


彼「Yはユキさんに・・・。いえ、何でもありません。」



まさか。
もしかして。
Yさん、彼にデマでも吹き込んだんじゃ…?!
キスしたとか、抱きしめたとか、
とんでもないこと言ったんじゃ?!!
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