有罪モラトリアム
第13章:ガー子の強襲



誕生日の夜、朝方に近くなるまで私たちはずっと一緒にいました。

ずっとキスを繰り返したり、抱き締め合っていました。

離れなくちゃいけない時間になると、泣きながらお別れのキスをしました。

その時に、彼は目立たない場所にキスマークをつけてくれました。

私もお返しに、彼の首筋にキスマークをつけました。

キスマークのつけ方なんて、初めて知りました。

朝方にこっそりと家へ戻り眠りにつきました。

これは後からわかったことなのですが、彼は車内で一眠りしてから帰ったようです。

次の日の授業はかなり眠くて、居眠りばかりしてしまいました…。

次の日の夜に、「僕も同じでした」とIP電話で笑っていました。




それ以来、私たちは

「ユキ」「カナタ」と

お互いの名前を呼ぶようになりました。

彼との距離が縮まった気がしました。



恋は順調すぎるほど順調に、

友達も、勉強も、家族とも、

オンラインゲームもちゃんと時間を決めてするようになり、

全てうまくいっていました。



彼とは2週間に1度は逢えるよう

予定を調節するようになって、

毎回楽しくデートをしました。

キスは当たり前、抱きしめあうのも・・・。

やっとキスをしても体が震えなくなってきました。

彼と以前に約束した「ガラス工房」にも一緒にいって、

可愛らしいガラス細工をいくつか買ってもらいました。



春休みが来ると、1週間に1回は逢うことができました。

遊園地、動物園、テーマパーク・・・

彼との思い出が1つ1つ、増えていきました。



そんな毎日の中、ゲームの仲間たちとまたオフ会をすることになりました。

2003年、7月の、夏休みのことでした。
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