有罪モラトリアム
時々振り返っては私の姿を確認する彼。
その姿は、ゲームの中でいつもみている彼の姿と完璧に一致しました。

なんとなくくすぐったいような、恥ずかしいような・・・。
ヤバイヤバイヤバイ!
な、なにか喋らなくっちゃ・・・!

私「あの、わざわざ迎えにきてもらってありがとうございます。」

彼「いえ、全然構いませんよ。
  そんなに遠くありませんし。」

私「待ちましたか・・・?」

彼「さっき来たばかりです。
  この駅にはよく来るので。大学も近いですし。」

どこの大学に通ってるんだろう・・・?
でも、いきなりそれを聞くのは躊躇われた。

私「もう誰かに会いましたか・・・?」

彼「いえ、ユキさんと一緒に行こうと思っていたので。
  Mとは途中まで一緒に来ました。」

私「みんなに会えるの、楽しみですね。」

一番会いたい人には、もう会えましたけど。
なんて、言えるわけもなく。

彼「ええ。」


彼がちらりとこちらをみて、急に歩くスピードを緩めた。


彼「ユキさんに会えて嬉しいです。」


!!!!

そ、そんなカッコイイ顔で、優しい声で言わないでくださぃぃいいい!!
ヤバイヤバイヤバイ!!!
顔に血がカーっとのぼってきちゃって・・・。

あぁあああ。
なんて言ったらいいの?!
私もです?!
そそそんなこと言えるわけが!!!!

彼「ユキさん、あまりにもイメージ通りで逆にビックリしましたw」

イメージ通り・・・?
と、いうことゎ・・・・・
悪いイメージではないんですよね?!

私「わ、私も、カナタさん、イメージ通りでしたw」

彼「こんな奴ですみませんw」

私「い、いえっ、そんな・・・っ、全然・・・えっと・・・」

どもりまくり。
顔赤くなりまくり。
私ってばかっこ悪すぎ・・・。
穴があったら入りたい。




彼「こんな可愛らしい方なんてw」



ええええ?!?!!

ちょっと・・・!!
もうヤバイです。やばすぎます。
お世辞だってわかってるんです。
でも嬉しすぎちゃってどうしようもありません。

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