【完】ペテン師との甘い夜
「何よ、その溜息。溜息ついたら幸せ逃げるわよ?」



朱美ちゃんは優しい手つきで私を撫でる。



………ドキン。



そんな綺麗な顔で見つめられたら緊張するわ。



薄暗い店内は朱美ちゃんをミステリアスに引き立て、優しい眼差しを煌めかせる。



朱美ちゃんの見たことないような表情。



私の心臓は訳も分からず煩く鳴り響いた。



そんな私達の目の前に人影が掛かった。



「シュウ、伊織に触らないで。」



案の定、セキだ。
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